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防災気象情報と警戒レベル、結局どう動けばいい?会社と家庭で決めておきたい行動

防災気象情報と警戒レベル、結局どう動けばいい?会社と家庭で決めておきたい行動

防災気象情報と警戒レベル、結局どう動けばいい?会社と家庭で決めておきたい行動

この記事の要点

  • 警戒レベルは、危険度を知るだけでなく「いつ行動するか」を判断するための目安です。
  • 警戒レベル5まで待って避難するのではなく、レベル3・4の段階で行動することが重要です。
  • 防災気象情報は、自治体の避難情報より先に発表されることがあります。
  • 会社では「誰が休業や帰宅を決めるか」、家庭では「誰が誰を支援するか」を事前に決めておきます。
  • 大切なのは、情報を集めることではなく「この情報が出たらこうする」というルールを作ることです。

「警戒レベルは知っている。でも、結局いつ動けばいいの?」

台風や大雨が近づくと、テレビやスマートフォンからさまざまな情報が入ってきます。 「注意報」「警報」「危険警報」「避難指示」など、次々と情報が出るため、 「結局、どの段階で何をすればいいのだろう」と迷った経験がある方もいるのではないでしょうか。

特に会社や店舗を経営している方にとっては、 自分や家族の安全だけを考えればよいわけではありません。 従業員を帰宅させるのか、営業を続けるのか、 翌日の営業を止めるのかといった判断も必要になります。

家庭でも同じです。 高齢の家族、小さな子ども、避難に時間がかかる家族がいる場合、 「危なくなったら逃げよう」だけでは、実際には間に合わないことがあります。

そこで重要になるのが、 防災気象情報と警戒レベルを「行動のきっかけ」として使うことです。

この記事では、警戒レベル1から5までを難しい専門用語ではなく、 「私たちは何をすればいいのか」という視点から整理します。 会社と家庭の両方で、自分たちなりの行動基準を考えてみましょう。

1.警戒レベルは「危険度」だけではなく「行動」を考える数字

警戒レベルは1から5まであります。

数字が大きくなるほど危険性が高まりますが、 「今の危険度は3だ」「4になった」と確認するだけでは、 本当の意味で活用しているとはいえません。

大切なのは、 その数字を見たとき、自分や会社が何をするかをあらかじめ決めておくことです。

気象庁によると、防災気象情報は自治体が出す避難指示などよりも 先に発表される場合が多くあります。

つまり、 「市町村から避難指示が来るまで何もしない」 という考え方ではなく、 気象庁などの情報を見ながら自分でも危険性を判断する必要があります。

ここで特に覚えておきたいのが、 警戒レベル5を避難開始の合図にしてはいけない ということです。

警戒レベル5相当は、 災害がすでに発生している、または切迫している可能性が極めて高く、 命の危険が迫っている段階です。

そのため、基本的には警戒レベル3や4の段階で、 必要な避難や安全確保を進めることが重要になります。

2.警戒レベル1〜5で何をすればよい?

ここからは、それぞれの警戒レベルを 「自分なら何をするか」という視点で見ていきましょう。

警戒レベル1|まず「気にかける」

警戒レベル1は、災害への心構えを高める段階です。

まだ危険が目前まで迫っているわけではないため、 「今すぐ避難しなければ」と慌てる必要はありません。

しかし、 「雨が強くなってから考えればいい」と放置するのでもありません。

例えば、次のようなことを確認します。

  • これから天気が悪化する可能性はあるか
  • 大雨や台風がいつ頃近づくのか
  • 翌日の仕事や外出予定を変更する必要はないか
  • スマートフォンを充電しておく必要はないか
  • 家族や従業員に注意を呼びかける必要はないか

気象庁の早期注意情報では、 大雨、土砂災害、高潮について警報級の可能性が 「高」または「中」と予想されている場合、 警戒レベル1に相当します。

この段階では、 「いつもより天気を気にする」 ところから始めましょう。

警戒レベル2|避難方法を「確認する」

警戒レベル2では、 避難行動を確認する段階に入ります。

「避難場所を知っているから大丈夫」と思っていても、 実際に災害が近づいたときには状況が変わる可能性があります。

自宅や会社が、 洪水、浸水、土砂災害などの危険がある場所なのか、 ハザードマップで確認しておきます。

あわせて確認したいのは次のような点です。

  • 自宅や会社の周辺にはどんな災害リスクがあるか
  • 避難する場合はどこへ行くか
  • そこまでどの道を通るか
  • 夜間や大雨でも同じ道を通れるか
  • 車を使わなくても避難できるか
  • 家族全員が避難先を知っているか

会社の場合は、 従業員の帰宅経路についても考えておく必要があります。

電車が止まってから帰宅を指示しても、 従業員が帰れなくなる可能性があります。

レベル2は、 「まだ大丈夫」ではなく「今のうちに確認できることを確認する段階」 と考えるとわかりやすいでしょう。

警戒レベル3|避難に時間がかかる人は行動を始める

警戒レベル3では、 高齢者など避難に時間がかかる人は、 危険な場所から避難を始める段階です。

「高齢者等」とありますが、 年齢だけで判断するものではありません。

障害のある方、 小さな子どもがいる家庭、 移動に時間がかかる方、 避難に誰かの支援が必要な方なども、 早めの行動を考える必要があります。

また、それ以外の人も 「自分には関係ない」と考える段階ではありません。

気象庁は、警戒レベル3相当では、 高齢者等以外の人についても普段の行動を見合わせ始めたり、 避難の準備をしたり、 自ら避難を判断したりすることを示しています。

例えば会社なら、 この段階で次の判断を検討します。

  • 従業員を早めに帰宅させるか
  • 屋外作業を中止するか
  • 翌日の営業をどうするか
  • 危険地域に住む従業員を先に帰宅させるか
  • 店舗や事務所の浸水対策を始めるか

「全員が同じ行動をする」必要はありません。

大切なのは、 危険性の高い人、避難に時間がかかる人から先に動くことです。

警戒レベル4|危険な場所から避難する

警戒レベル4は、 危険な場所にいる人が避難する段階です。

自治体から警戒レベル4の「避難指示」が出た場合は、 対象となる地域で速やかに避難行動をとる必要があります。

ここで注意したいのが、 「避難指示が出るまで絶対に動かない」と考えないことです。

気象庁によると、 防災気象情報は自治体の避難情報より先に発表されることがあります。

レベル4相当の防災気象情報が発表され、 自分のいる場所の危険性が高まっている場合には、 自治体の避難指示だけを待つのではなく、 キキクルや河川の水位情報なども確認しながら、 自ら避難を判断することが重要です。

なお、「避難」は必ずしも 指定された避難所へ行くことだけを意味するわけではありません。

災害の種類や現在地によって、 安全な親戚・知人宅などへ移動することも考えられます。

すでに道路が冠水するなど外への移動が危険な場合には、 無理に遠くの避難所へ向かわず、 その時点でできる最善の安全確保を考える必要があります。

警戒レベル5|「避難開始」ではなく、命を守る

警戒レベル5は、 災害が発生または切迫している可能性が極めて高い段階です。

この段階では、 安全に避難場所まで移動できない可能性があります。

つまり、 「レベル5が出たら避難しよう」では遅い場合があります。

すでに外へ移動するほうが危険な場合には、 川や崖から少しでも離れる、 頑丈な建物の上層階へ移るなど、 今いる場所や周囲の状況に応じて 命を守るための行動をとります。

この段階を迎える前に行動できるようにすることが、 警戒レベルを理解する一番大きな目的です。

警戒レベルを簡単に覚えるなら、この5つ

警戒レベル 覚え方 主な行動
1 気にかける 最新の天気や防災情報を確認する
2 確認する ハザードマップ、避難先、避難経路を確認する
3 早めに動く 高齢者など避難に時間がかかる人は避難を始める。それ以外の人も準備する
4 避難する 危険な場所から避難する
5 命を守る すでに災害が発生・切迫している可能性を踏まえ、直ちに安全を確保する

特に覚えていただきたいのは、 「5になったら逃げる」ではなく、「3・4で動く」 という考え方です。

3.会社や店舗では、どう考えればよい?

ここまでの説明を読んで、 「意味はわかった。でも会社では具体的に何を決めればいいのだろう」 と思った経営者の方もいるでしょう。

会社の防災で難しいのは、 天気そのものを予測することではありません。

難しいのは、 「どの段階で誰が何を決めるのか」 です。

例えば大雨の日。

午後になって雨が激しくなり、 電車の運休情報が増え始めたとします。

社長は、 「もう少し営業できるのではないか」と考える。

店長は、 「早くスタッフを帰したほうがいいのでは」と考える。

従業員は、 「会社から何も言われていないから帰れない」と考える。

このような状況になれば、 判断が遅れる可能性があります。

だからこそ、 災害が迫っていない平常時にルールを決めておくことが重要です。

例えば、会社ではこんな基準を決めておく

  • 警戒レベル1:気象情報を確認し、社内で注意を共有する
  • 警戒レベル2:従業員の帰宅経路や翌日の営業体制を確認する
  • 警戒レベル3:危険地域の従業員や帰宅に時間がかかる人を早めに帰す
  • 警戒レベル4:危険な地域での営業や業務を継続しない
  • 警戒レベル5:営業よりも人命を最優先し、その場所で可能な安全確保を行う

もちろん、 会社の所在地、従業員の居住地域、 業種、営業時間などによって適切な基準は異なります。

重要なのは、 「社長がその場で判断する」だけの仕組みにしないことです。

例えば、 「社長が不在の場合は店長」 「店長とも連絡が取れない場合は現場責任者」 というように、 判断する人を決めておくと動きやすくなります。

防災対策というと、 水や食料、懐中電灯などを備蓄することが注目されがちです。

もちろん備蓄も重要です。

しかし会社にとっては、 「誰が、いつ、営業停止や帰宅を決めるのか」という判断ルールも重要な防災対策 なのです。

4.家庭では、どう考えればよい?

家庭でも基本的な考え方は同じです。

災害が近づいてから 「どこへ逃げる?」 「おばあちゃんはどうする?」 「子どもを誰が迎えに行く?」 と話し始めると、判断が遅れることがあります。

平常時に家族で、 少なくとも次のことを話しておきましょう。

  • 自宅にはどのような災害リスクがあるか
  • 避難する場合はどこへ行くか
  • 避難場所まで安全に行ける道はどこか
  • 高齢者や子どもの避難を誰が支援するか
  • 家族が別々の場所にいる場合、どのように連絡するか
  • スマートフォンが使えない場合はどうするか
  • ペットがいる場合はどうするか

そしてもう一つ大切なのが、 「何をきっかけに行動するか」です。

例えば、

「警戒レベル3になったら、 おばあちゃんは早めに安全な場所へ移動する」

「警戒レベル2のうちに、 家族全員のスマートフォンを充電する」

「大雨が予想されている日は、 子どもの迎えをいつもより早くする」

といったルールです。

「危険になったら考える」のではなく、 「この情報が出たら、こうする」 と決めておくことで、迷う時間を減らせます。

5.「レベル4になったら考える」では遅い理由

防災では、 情報が新しくなるほど判断しやすくなるとは限りません。

危険度が上がるほど状況は詳しくなりますが、 一方で、安全に行動できる時間は少なくなっていきます。

大雨になってから避難しようとすると、 道路が冠水しているかもしれません。

河川が増水しているかもしれません。

暗くなって周囲が見えにくくなっている可能性もあります。

会社の場合は、 鉄道が止まったあとに従業員へ帰宅を指示しても、 帰れない人が出る可能性があります。

だからこそ、 防災では「正解がはっきりしてから動く」より、 安全に動ける段階で準備や判断を進めることが大切です。

「正常性バイアス」に注意する

人は危険な状況でも、 「今回は大丈夫だろう」 「これまで何も起きなかったから今回も大丈夫だろう」 と考えてしまうことがあります。

このように、異常な状況を いつもの日常の範囲内だと考えようとする心理的な傾向は、 「正常性バイアス」と呼ばれています。

防災の場面では、 この心理が行動の遅れにつながることがあります。

そこで役立つのが、 事前に行動基準を決めることです。

「危ないと思ったら帰宅させる」 では、人によって判断が変わります。

一方、

「この地域にレベル3相当の情報が出たら、 従業員の居住地域と交通状況を確認する」

と決めておけば、 感覚だけに頼らず行動しやすくなります。

家庭についても同じです。

防災情報は、 「怖がるための情報」ではありません。

迷わず行動するための判断材料 として使うことが大切です。

防災気象情報と避難情報は、同じものではありません

ここは混同しやすいため、押さえておきましょう。

気象庁などが発表する防災気象情報には、 「警戒レベル3相当」 「警戒レベル4相当」 といった情報があります。

一方、 実際の「高齢者等避難」や「避難指示」などの避難情報は、 市町村が地域の状況などを踏まえて発令します。

そのため、 防災気象情報の「警戒レベル相当情報」と、 市町村が出す避難情報は役割が異なります。

ただし、 「自治体から避難指示が出ていないから安全」 という意味ではありません。

気象庁は、 警戒レベル3・4相当の防災気象情報が発表された場合には、 自治体から避難情報がまだ発令されていなくても、 キキクルや河川の水位情報などを確認し、 自ら避難を判断することが重要だとしています。

今日からできることは「わが社・わが家の基準」を一つ決めること

今日の記事を読んだあと、 防災用品をすべて買いそろえる必要はありません。

まずは一つだけ、 行動の基準を決めてみてください。

例えば会社なら、

「レベル2の段階で翌日の営業と従業員の帰宅方法を確認する」

というルールでも構いません。

家庭なら、

「レベル2になったらハザードマップと避難先を家族で確認する」

でもよいでしょう。

防災は、 一度に完璧な計画を作ろうとすると難しく感じます。

それよりも、 「この情報が出たら、この行動をする」 という小さなルールを一つずつ増やしていくほうが、 実際に使える防災につながります。

まとめ+要約

  • 警戒レベルは「見る数字」ではなく「行動を決める数字」です。 危険度だけでなく、自分や会社が何をするかまで考えておきましょう。
  • 警戒レベル1では情報を気にかけ、レベル2では避難方法を確認します。 危険が大きくなる前の準備が、その後の行動を楽にします。
  • 警戒レベル3では、避難に時間がかかる人が早めに行動します。 それ以外の人も、避難準備や通常行動の見直しを始めます。
  • 警戒レベル4では危険な場所から避難します。 自治体の避難指示だけを待たず、防災気象情報や地域の状況も確認して判断することが重要です。
  • 警戒レベル5は「避難を始める段階」ではありません。 すでに災害が発生・切迫している可能性が極めて高いため、 レベル3・4の段階で行動することが重要です。

次の一手: 今日、会社または家庭で 「警戒レベル2・3になったら何をするか」を一つだけ決めてみましょう。

よくある質問

Q1.警戒レベル4になるまで避難しなくても大丈夫ですか?

必ずしもそうではありません。 高齢者など避難に時間がかかる方は、 警戒レベル3の段階で危険な場所から避難を始めることが基本です。

また、同じ市町村内でも、 川沿い、低い土地、崖の近くなどでは危険性が異なります。 ハザードマップやキキクルなどを確認し、 自分のいる場所の状況に応じて早めに判断することが重要です。

Q2.気象庁の情報と市町村の避難情報、どちらを見ればいいですか?

どちらか一方ではなく、両方を確認することが大切です。

気象庁などの防災気象情報は、 災害の危険度がどの程度高まっているかを判断する材料になります。

一方、市町村は地域の状況などを踏まえて 「高齢者等避難」「避難指示」などを発令します。

防災気象情報が先に発表される場合もあるため、 市町村からの避難情報だけを待つのではなく、 両方を組み合わせて判断することが重要です。

Q3.会社では警戒レベルごとのルールを必ず作ったほうがよいですか?

一律のルールを作ればすべて解決するわけではありませんが、 少なくとも「誰が判断するか」「どの情報を確認するか」 「どの段階で従業員へ連絡するか」は決めておくことをおすすめします。

災害時に経営者一人へ判断が集中すると、 連絡や対応が遅れる可能性があります。

自社の所在地、従業員の人数、 通勤方法、業種などに合わせて、 無理のない範囲からルールを作っていくことが大切です。

次回予告|防災情報は、そもそもどこから取ればいい?

警戒レベルについて理解しても、 次に出てくる疑問があります。

「その情報を、どこで確認すればいいの?」

テレビ、スマートフォンの天気アプリ、 気象庁、市町村、防災アプリ、SNS。

情報源が多すぎるからこそ、 いざというときに迷わないよう 「まずここを見る」という情報源を決めておく必要があります。

Day2では、 「防災情報はどこから取ればいい?」 をテーマに、 信頼できる情報源と確認する順番をわかりやすく整理します。

参考情報

※防災気象情報や避難情報は、実際の災害時には最新情報を確認してください。 また、避難の必要性や適切な避難方法は、所在地、災害の種類、 建物の状況、周囲の危険度などによって異なります。

会社や家庭の防災、「自分の場合はどうする?」を整理しませんか?

防災情報を知っていても、 実際に災害が近づいたとき 「いつ営業を止めるのか」 「従業員をいつ帰すのか」 「家族をどのタイミングで避難させるのか」 まで決めている方は多くありません。

防災で大切なのは、 情報をたくさん集めることよりも、 自社・自宅の状況に合わせて「どう動くか」を決めておくことです。

会社やご家庭に合わせた防災の考え方を整理したい方は、 お気軽にご相談ください。

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