
改正物流効率化法の90日対応チェック
Executive Summary
- 対応は90日単位で進めます。
- まず対象判定と記録整備を行います。
- 次に荷主別の課題を見える化します。
- その後、改善協議を始めます。
- 最後に社内ルールとして定着させます。
導入
改正物流効率化法への対応は、難しく見えます。しかし、やるべきことを90日に分ければ、現場でも進めやすくなります。
2026年4月から、一定規模以上の荷主・物流事業者は特定事業者として指定され、中長期計画や定期報告などの義務が生じます。また、特定事業者の指定の届出などは原則オンラインで行い、e-Gov電子申請とGビズIDの準備が案内されています。
大切なのは、制度対応だけを目的にしないことです。荷待ちを減らし、荷役負担を見直し、ドライバーが働き続けられる現場にすることが本来の目的です。
目次
- 最初の30日:現状を把握する
- 次の30日:課題を見える化する
- 最後の30日:荷主と協議する
- 継続するための社内ルール
本文
1. 最初の30日:現状を把握する
最初の30日は、難しい計画を作るよりも、現状を把握する期間です。
やることは次の5つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象判定 | 車両台数150台基準を確認 |
| 荷主整理 | 主要荷主を一覧化 |
| 拠点整理 | 待機が多い場所を把握 |
| 記録確認 | 日報・配車記録を確認 |
| 担当決定 | 社内の責任者を決める |
特定貨物自動車運送事業者等の基準は、保有車両台数150台以上とされています。対象に近い会社は、早めに専門家や行政資料を確認してください。
2. 次の30日:課題を見える化する
次の30日は、荷待ち・荷役の記録を集めます。
すべての便で完璧に記録するのが難しければ、主要荷主や問題の多い拠点から始めます。記録項目は、到着時刻、作業開始時刻、作業終了時刻、荷主名、拠点名、作業内容です。
この段階で大切なのは、誰かを責めるために記録するのではないということです。改善するために、事実を集めます。
3. 最後の30日:荷主と協議する
最後の30日は、荷主との協議を始めます。
話す内容は、次のように整理します。
| 協議テーマ | 具体例 |
|---|---|
| 荷待ち | 予約制、受付時間、集中時間の分散 |
| 荷役 | パレット化、検品方法、作業分担 |
| 契約範囲 | 附帯作業、手荷役、待機の扱い |
| 積載効率 | 納品頻度、ロット、共同配送の可能性 |
荷主には、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮に向けた取組が求められています。そのため、運送会社からの相談は、単なる値上げ交渉ではなく、制度対応と現場改善のための協議として位置づけられます。
4. 継続するための社内ルール
90日で一度形を作ったら、次は続ける仕組みが必要です。
たとえば、次のようなルールを決めます。
- 荷待ちが30分を超えたら記録する
- 月1回、荷主別の待機時間を集計する
- 問題拠点は配車担当と管理者で確認する
- 改善協議の履歴を残す
- 契約外作業は都度報告する
現場任せにせず、会社のルールにすることが大切です。
まとめ
- 90日で現状把握から協議まで進めます。
- 最初に対象判定と記録状況を確認します。
- 次に荷主別・拠点別の課題を見える化します。
- 最後に荷主と改善協議を始めます。
- 継続するには社内ルール化が必要です。
次の一手:90日対応表を作り、今月中に主要荷主1社との改善協議を設定してください。
FAQ
Q1. 90日で本当に対応できますか?
すべてを完了させる必要はありません。90日で「対象判定」「記録開始」「荷主協議の入口」まで進めることが現実的です。
Q2. 社内に担当者がいません。
最初は専任でなくても構いません。配車責任者、運行管理者、経営者のいずれかが中心となり、記録と協議を進める体制を作ります。
Q3. 相談するタイミングはいつがよいですか?
対象判定が曖昧、記録方法が決まらない、荷主にどう話すべきかわからない。このいずれかに当てはまるなら、早めに相談した方が安全です。
📩 改正物流効率化法への90日対応計画を一緒に整理したい方は、 こちらからご相談ください。
出典
- 改正物流法ポータルサイト: https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/
- 特定事業者の指定に係る届出について: https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/information/details/post_19.html
- 経済産業省「物流効率化法」関連資料: https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/bukkoho_system_flyer.pdf
- 荷主向け判断基準: https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/sippers/judgment-criteria/