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配偶者・子ども・親の控除を見落としていませんか?確定申告前に確認したい家族の情報

配偶者・子ども・親の控除を見落としていませんか?確定申告前に確認したい家族の情報

「配偶者が仕事を始めたので、今年も控除を受けられるか分からない」

「子どものアルバイト収入が増えたけれど、扶養はどうなるの?」

「離れて暮らす親を支えている場合も、確認する控除はありますか?」

確定申告の準備では、保険料や医療費だけでなく、本人や家族の状況も大切な確認項目です。

家族に関する控除は、前年の申告内容をそのまま使うのではなく、その年の年齢、所得、生活状況から確認しましょう。

Day3では、医療費、社会保険料、ふるさと納税を整理しました。Day4では、配偶者控除、扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、ひとり親控除などを確認します。

この記事で押さえたい5つのポイント

  • 家族に関する控除は、収入だけでなく、所得や年齢、生計の関係で確認します。
  • 配偶者控除の対象外でも、配偶者特別控除を確認できる場合があります。
  • 19歳以上23歳未満の親族は、扶養控除に加えて特定親族特別控除も確認しましょう。
  • 障害者控除やひとり親控除などは、保険料の控除証明書とは別に確認が必要です。
  • 税金上の扶養、社会保険上の扶養、勤務先の家族手当は、別の基準です。

今回考えたい問いは、「今年の家族の変化を、控除の確認に正しく反映できているか?」です。

1.まず、家族の情報を一覧にする

最初から控除額を計算しようとせず、家族の情報を整理するところから始めましょう。

確認する情報 整理する内容
年齢 原則として、その年の12月31日時点の年齢
本人との関係 配偶者、子ども、親など
所得 給与、副業、事業、公的年金などを確認した年間の所得
生活費の関係 生活費を共通にしているか、別居の場合は仕送りなどの状況
今年の変化 就職、退職、収入の増減、結婚、離婚、家族の死亡など
ほかの人の申告 同じ親族を、ほかの家族が控除対象として申告していないか

年の途中の死亡や出国などでは、判定時点に例外があります。該当する場合は個別に確認してください。

情報が分からない項目は、家族本人に確認することをメモしておきましょう。

2.「収入」と「所得」を分けて考える

家族の控除を確認するときは、「年間いくら入ってきたか」だけでは判断できません。

給与収入の場合は、給与所得控除を差し引いて給与所得を計算します。

事業や副業の場合は、収入の種類に応じ、必要経費などを確認して所得を計算します。公的年金も、受取額がそのまま所得になるわけではありません。

複数の勤務先から給与を受け取っている場合は、それぞれの給与を確認します。給与に加えて副業所得がある場合も、給与だけを見て判断しないようにしましょう。

さらに、家族の所得要件は、医療費控除や生命保険料控除などを差し引いた後の金額で判断するものではありません。

「保険料控除があるから、扶養判定の所得も下がる」と考えないことが大切です。

3.配偶者控除は、夫婦それぞれの所得を確認する

配偶者控除は、法律上の配偶者がいて、生計や所得などの条件を満たす場合に確認する所得控除です。

主に、次の点を確認します。

  • 法律上の配偶者であるか。
  • 本人と生計を一にしているか。
  • 配偶者の年間の合計所得金額が要件を満たすか。
  • 控除を受ける本人の合計所得金額が要件を満たすか。
  • 事業専従者など、対象外となる条件に該当しないか。

2026年分の所得税では、配偶者の合計所得金額が62万円以下であることなどを確認します。この金額は、給与収入そのものではありません。

また、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除を受けられません。

控除額も本人の所得などによって異なるため、配偶者の収入だけで結論を出さないようにしましょう。

配偶者控除の対象外でも、配偶者特別控除を確認する

配偶者の所得が配偶者控除の範囲を超えた場合でも、配偶者特別控除の対象になることがあります。

2026年分では、配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下であることや、本人の合計所得金額が1,000万円以下であることなどを確認します。

控除額は、本人と配偶者それぞれの所得に応じて変わります。

「配偶者控除が使えないから、関連する控除は何もない」と決めつけず、次の制度も確認してみましょう。

4.扶養控除は、親族の年齢と所得を確認する

扶養控除は、配偶者以外の親族などについて、生計、所得、年齢などの条件を満たす場合に確認する控除です。

所得税の扶養控除は、原則として16歳以上の控除対象扶養親族が対象です。

2026年分では、親族の年間の合計所得金額が62万円以下であることなどを確認します。

ただし、年齢によって控除の区分が異なります。19歳以上23歳未満の親族や、70歳以上の親族については、区分を分けて確認しましょう。

16歳未満の子どもも、申告上の情報を確認する

16歳未満の子どもは、所得税の扶養控除の対象にはなりません。

ただし、住民税に関する申告情報や、障害者控除、ほかの制度の確認などに関係する場合があります。

「扶養控除がないから、家族情報として何も書かなくてよい」と考えず、申告書や勤務先の案内を確認してください。

5.19歳以上23歳未満の親族は、特定親族特別控除も確認する

大学生年代の子どもなどについては、アルバイト収入が増えたときの確認が重要です。

扶養控除の所得要件を超えた場合でも、特定親族特別控除の対象になることがあります。

2026年分では、原則として年末時点で19歳以上23歳未満の親族等について、合計所得金額が62万円超123万円以下であることなどを確認します。

控除額は、その親族の所得に応じて段階的に変わります。

年齢が該当していても、生計の関係、事業専従者に関する条件、ほかの人との控除の重複なども確認が必要です。

「アルバイト収入が増えた」という一言で控除がなくなったと判断せず、年齢と年間の所得から、どの控除を確認するかを整理しましょう。

この制度は学生であることだけを条件にしたものではありません。学生かどうかより、所定の年齢や所得などの条件を確認します。

6.別居している親も、生活費の関係から確認する

親と別居していても、生活費や療養費などの継続的な送金により、生計を一にすると判断される場合があります。

ただし、仕送りをしているだけで、必ず扶養控除を受けられるわけではありません。

  • 親の年齢
  • 公的年金や仕事などの所得
  • 生活費を負担している状況
  • 同居・別居の状況
  • 兄弟姉妹など、ほかの人の申告状況

これらを確認して判断します。

同じ親を、兄弟姉妹がそれぞれ重複して扶養控除の対象にすることはできません。家族で確認しておきましょう。

また、海外に住む親族については、年齢区分や必要書類などに追加の要件があります。国内の親族と同じ感覚で申告せず、該当する案内を確認してください。

7.障害者控除は、本人と対象となる家族を確認する

障害者控除は、本人、同一生計配偶者、扶養親族が所定の条件に該当する場合に確認する所得控除です。

対象者の状況によって、障害者、特別障害者、同居特別障害者などの区分が異なります。

扶養控除がない16歳未満の扶養親族についても、障害者控除の対象になる場合があります。

要介護認定だけで、自動的に対象になるわけではない

介護保険の要介護認定を受けたことだけで、障害者控除の対象になるわけではありません。

一方、65歳以上の方などで、所定の状態について市町村長等の認定を受け、対象になる場合があります。

障害者手帳の有無だけで対象外と決めつけず、該当する可能性がある方は、市区町村の担当窓口などに確認しましょう。

認定の対象時点や必要な資料も確認しておくと、申告準備を進めやすくなります。

8.ひとり親控除・寡婦控除も、状況に応じて確認する

離婚、死別、未婚で子どもを育てているなどの状況では、ひとり親控除や寡婦控除を確認する場合があります。

ただし、家族関係だけで自動的に適用されるものではありません。

ひとり親控除で確認すること

ひとり親控除では、婚姻の状況、生計を一にする子の有無、本人と子の所得、事実上の婚姻関係と同様の事情にある人の有無などを確認します。

本人の合計所得金額が500万円以下であることも要件です。

子どもについては、ほかの人の同一生計配偶者や扶養親族になっていないことなども確認が必要です。

寡婦控除で確認すること

ひとり親控除に該当しない場合でも、夫との離婚や死別などについて、所定の条件を満たせば寡婦控除の対象になることがあります。

離婚と死別では、扶養親族に関する要件が異なります。本人の所得や現在の婚姻状況なども確認してください。

名称だけで判断せず、自分に関係する制度の要件を確認することが大切です。

9.個人事業主は、家族への給与との関係に注意する

家族が事業を手伝っている場合は、配偶者控除や扶養控除との関係を確認しましょう。

青色事業専従者として、その年に給与の支払いを受けた配偶者や親族、白色申告者の事業専従者は、配偶者控除や扶養控除の対象にはなりません。

特定親族特別控除にも、事業専従者に関する要件があります。

「給与が少ないから、専従者給与と扶養控除を両方使える」と考えないようにしましょう。

なお、ひとり親控除などを含め、すべての家族関連の控除が同じ判定になるわけではありません。制度ごとに条件を確認してください。

家族への給与や事業の働き方を変更する際は、帳簿や届出も含め、税理士などに相談すると整理しやすくなります。

10.税金・社会保険・家族手当の基準を分ける

「扶養に入っている」という言葉には、複数の意味があります。

確認する制度 主な確認内容 確認先
税金上の控除 所得、年齢、生計、親族関係など 国税庁、税務署、税理士
社会保険上の扶養・加入 収入見込み、働き方、加入先の基準など 勤務先、健康保険の加入先など
勤務先の家族手当 会社が定める対象者や収入条件など 勤務先の人事・給与担当

税金上の控除が受けられるからといって、社会保険上も同じ扱いになるとは限りません。

家族の働き方を考えるときは、税金だけでなく、社会保険料や手当、実際の手取りも分けて確認しましょう。

11.家族の変化を、年末調整と確定申告に反映する

会社員の方は、勤務先の申告書に書いた所得見込みが、年末の実際の金額と合っているかを確認しましょう。

配偶者の仕事が増えた、子どものアルバイト先が増えたなど、提出後に状況が変わった場合は、人事・給与担当に連絡します。

年末調整で修正できない場合は、確定申告による対応が必要になることがあります。

確定申告をする方は、源泉徴収票の控除内容と、家族の実際の情報を照合してください。

控除が増える方向だけでなく、要件を満たさなくなった控除を正しく修正することも大切です。

個人事業主の方も、前年の申告内容を参考にしながら、その年の情報で一つずつ確認しましょう。

12.今日できることは、家族ごとの確認事項を書き出すこと

次の順番で整理すると、準備を進めやすくなります。

  1. 家族の年齢と、その年に変わったことを書き出す。
  2. 給与、副業、事業、年金などの年間収入を確認する。
  3. 収入の種類に応じて所得を確認する。
  4. 同居・別居、生活費の負担や仕送りを整理する。
  5. 確認する控除と、その要件を照合する。
  6. ほかの家族の申告や、勤務先への提出内容を確認する。

情報が不足している場合は、無理に控除額を決めず、確認先をメモしておきましょう。

家族に確認するときも、「控除に使えるか」だけでなく、「申告する年の所得を正しく整理したい」と伝えると、目的を共有しやすくなります。

よくある質問

Q.配偶者の収入が増えたら、関連する控除はすべてなくなりますか?

A.一律には決まりません。配偶者控除の対象外でも、配偶者特別控除を確認できる場合があります。本人と配偶者の年間の所得、ほかの要件を確認してください。

Q.子どものアルバイト収入が増えたら、扶養に関する控除は使えませんか?

A.子どもの年齢と所得によります。19歳以上23歳未満の親族については、扶養控除の所得要件を超えても、特定親族特別控除の対象になる場合があります。

Q.別居している親は、扶養控除の対象になりませんか?

A.別居だけで対象外にはなりません。生計の関係、親の所得や年齢などの条件を確認します。ほかの家族との重複申告にも注意してください。

Q.要介護認定があれば、障害者控除を受けられますか?

A.要介護認定だけで自動的に対象にはなりません。所定の状態や市町村長等の認定などにより対象になる場合があるため、市区町村の窓口などに確認してください。

Q.前年と家族構成が同じなら、申告内容も同じでよいですか?

A.年齢、所得、制度の要件が変わることがあります。家族構成が同じでも、申告する年の情報と制度で確認しましょう。

まとめ+要約

家族に関する控除は、証明書が届くものだけではありません。本人や家族の年齢、所得、生計の関係を整理することが大切です。

  • 配偶者控除と配偶者特別控除は、夫婦それぞれの所得を確認する。
  • 扶養控除は、親族の年齢や所得、生計などの条件で判断する。
  • 19歳以上23歳未満の親族は、特定親族特別控除も確認する。
  • 障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除も、状況に応じて確認する。
  • 税金、社会保険、勤務先の手当は、別の基準として整理する。

今日の一歩は、家族ごとの「年齢」「所得」「今年の変化」を書き出すことです。

前年の内容に頼らず、今年の状況を確認することで、申告漏れや誤った控除を防ぎやすくなります。

次回は、申告前の最終確認をまとめます

Day5では、これまでの控除を一覧にし、証明書、支払い記録、家族情報、年末調整の内容をどのように照合するかを整理します。

「資料は集まったけれど、次に何をすればよいか分からない」という方に向けて、申告準備の最後の一歩をお伝えします。

家族の働き方と、家計の見直しを一緒に整理しませんか?

配偶者の仕事、子どもの収入、親への支援などが変わると、家計や確認する制度も変わります。税金、社会保険、保障、今後の支出を整理したい方は、ご相談ください。

個別の控除の適用可否や申告については税務署や税理士へ、社会保険は勤務先や加入先へ確認しましょう。

参考情報

※2026年10月10日時点の公表情報に基づき、主に2026年分の所得税の通常の年末調整・確定申告を想定しています。本文の62万円等の所得要件には、2026年12月1日施行で2026年分から適用される改正内容を含みます。施行日前の死亡・出国に伴う準確定申告などには別の取扱いがあります。所得税と住民税、社会保険では条件が異なるため、それぞれの最新案内をご確認ください。

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