
荷待ち・荷役時間を記録しないリスク
Executive Summary
- 荷待ち・荷役は重要な確認項目です。
- 記録がないと改善交渉が難しくなります。
- 感覚ではなく数字で伝える必要があります。
- 拠点別・荷主別に見ることが大切です。
- 最初は簡単な記録から始めます。
導入
運送の現場では、荷待ちや荷役の負担が当たり前のように発生しています。しかし、改正物流効率化法への対応では、その「当たり前」を記録し、説明できる状態にすることが重要になります。
国のポータルサイトでは、荷待ち時間や荷役等時間の算定方法が重要事項として示されています。また、荷主向けの説明でも、荷待ち時間と荷役等時間を分けて計測し、平均時間を施設ごとに報告する考え方が示されています。
運送会社にとって大切なのは、「現場が大変です」と伝えることではありません。「どこで、どれだけ、何に時間がかかっているか」を伝えられる状態にすることです。
目次
- なぜ記録が必要なのか
- 記録すべき項目
- よくある失敗
- 今日からできる記録方法
本文
1. なぜ記録が必要なのか
荷待ちや荷役の問題は、現場ではよく知られています。ところが、経営や荷主との協議では、数字がなければ伝わりにくいものです。
たとえば、次の2つの伝え方では重みが違います。
「いつも待たされています」
「Aセンターで、午前8時台の納品時に平均45分の待機があります」
後者であれば、時間帯、拠点、原因を話し合えます。予約時間をずらす、受付方法を変える、検品手順を見直すなど、具体的な改善につながります。
2. 記録すべき項目
最初から複雑なシステムを入れる必要はありません。まずは、次の項目を残すことから始めます。
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 日付 | いつ発生したか |
| 荷主名 | どの取引先か |
| 拠点名 | どの倉庫・センターか |
| 到着時刻 | 現地に着いた時刻 |
| 作業開始時刻 | 積込・荷卸しが始まった時刻 |
| 作業終了時刻 | 作業が終わった時刻 |
| 内容 | 待機、検品、手荷役、附帯作業など |
ポイントは、荷待ち時間と荷役等時間を分けることです。荷待ちは「作業開始までの待ち」、荷役等は「積込・荷卸し・検品などの作業」として整理します。
3. よくある失敗
よくある失敗は、ドライバー任せにしてしまうことです。
もちろん、現場で記録するのはドライバーです。しかし、何を記録するか、どのように報告するか、誰が集計するかを会社が決めていなければ、記録は続きません。
もう1つの失敗は、問題が大きい荷主だけを記録することです。改善交渉には比較が必要です。問題が大きい拠点と、スムーズな拠点を比べることで、改善のヒントが見えます。
4. 今日からできる記録方法
最初は、紙の日報に3項目を追加するだけでも構いません。
- 到着時刻
- 作業開始時刻
- 作業終了時刻
この3つがあれば、荷待ちと荷役の大まかな時間を把握できます。可能であれば、荷主名・拠点名・作業内容も残します。
大切なのは、完璧さより継続です。1週間だけでも記録すれば、どの荷主・どの拠点に課題があるかが見え始めます。
まとめ
- 荷待ち・荷役の記録は対応の土台です。
- 感覚ではなく数字で伝える必要があります。
- 荷待ちと荷役等時間は分けて見ます。
- ドライバー任せにせず会社で設計します。
- まずは到着・開始・終了時刻から始めます。
次の一手:主要3荷主について、1週間だけ荷待ち・荷役時間を記録してください。
FAQ
Q1. すべての運行で記録しないといけませんか?
最初からすべてを完璧に行う必要はありません。まずは主要荷主や待機が多い拠点から始めると現実的です。
Q2. ドライバーの負担が増えませんか?
増えすぎる記録は続きません。最初は到着時刻、作業開始時刻、作業終了時刻の3つに絞るのがおすすめです。
Q3. 荷主に記録を見せるべきですか?
いきなり突きつけるのではなく、改善の相談材料として使うのがよいです。「一緒に待機を減らしたい」という伝え方が重要です。
📩 荷待ち・荷役時間の記録方法や、荷主への伝え方に不安がある方は、 こちらからご相談ください。