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災害が起きる前に、今日から何を始めるか

災害が起きる前に、今日から何を始めるか

災害が起きる前に、今日から何を始めるか

Executive Summary

  • 防災は「完璧に準備すること」より「今日始めること」が大切です。
  • 家庭では避難・連絡・備蓄・役割分担を確認します。
  • 企業では人命保護と事業継続を同時に考えます。
  • BCPやジギョケイは、見直し・周知・訓練まで含めて機能します。
  • まず一つ行動に移すことが、実効性のある備えにつながります。

ここまで4日間にわたり、大規模災害への備えについて考えてきました。

Day1では、「備えているつもり」になっていないかを見直しました。

Day2では、自宅や会社の備えを「人・場所・情報・モノ・仕事」という5つの視点で整理しました。

Day3では、BCPや事業継続力強化計画、いわゆるジギョケイを「作って終わり」にしないことの大切さを確認しました。

Day4では、家族や従業員に「伝わってこそ備えになる」という視点から、周知や役割分担、訓練について考えました。

そして最終日のDay5では、

「では、今日から何を始めればよいのか」

を整理します。

防災というと、どうしても、

「全部そろえなければ」

「きちんとした計画書を作らなければ」

「専門家に頼まなければ難しい」

と考えてしまいがちです。

しかし、最初から完璧である必要はありません。

大切なのは、

「気づいた今、一つでも行動に移すこと」

です。

災害は、準備が完全に整うまで待ってくれるわけではありません。

だからこそ、

「いつかやる」

ではなく、

「今日できることを一つ決める」

ことが重要です。

目次

  1. まずは「守るもの」を決める
  2. 家庭で今日から始められる5つの行動
  3. 企業・個人事業主が今日から始められる5つの行動
  4. BCP・ジギョケイを「動く仕組み」に変える
  5. 完璧を目指さず、続けられる備えにする

1.まずは「守るもの」を決める

防災を考えるとき、最初に決めたいのは、

「何を一番守るのか」

ということです。

家庭であれば、

まず守るべきものは家族の命です。

会社であれば、

従業員やお客様の安全が最優先になります。

そのうえで、

生活をどう続けるか。

仕事をどう続けるか。

取引先や顧客との関係をどう守るか。

という順番で考えていきます。

この順番が曖昧だと、災害時に判断がぶれます。

たとえば会社で、

「商品を守ること」

「従業員を避難させること」

が同時に必要になった場合、どちらを優先するか。

平常時なら答えは簡単に見えます。

しかし、災害時は混乱します。

だからこそ、

「まず人命を守る」

という大原則を、あらかじめ共有しておくことが重要です。

そのうえで、

どの仕事を最優先で復旧させるのか。

どの顧客へ先に連絡するのか。

どの設備を優先して復旧するのか。

を決めていきます。

防災は、

「すべてを守る計画」

ではありません。

限られた人、時間、設備の中で、

「何を優先するかを決めておくこと」

でもあります。

2.家庭で今日から始められる5つの行動

家庭の防災では、

最初からすべてをそろえる必要はありません。

まずは、今日からできる5つを確認してみましょう。

1.避難場所を確認する

自宅周辺の避難場所を確認します。

ただ地図で見るだけでなく、

可能であれば実際に一度歩いてみましょう。

夜でも通れるか。

川や橋を通る必要はないか。

高齢者や小さな子どもでも移動できるか。

そうしたことまで考えると、より現実的な避難計画になります。

2.家族の連絡方法を決める

災害時には電話がつながりにくくなることがあります。

そのため、

  • どの方法で安否を確認するか
  • 連絡が取れない場合はどうするか
  • どこで情報を残すか

を家族で決めておきましょう。

大切なのは、

「親だけが知っている状態にしない」

ことです。

3.備蓄を一度見直す

水や食料があるかだけではなく、

  • 携帯トイレ・簡易トイレ
  • モバイルバッテリー
  • 懐中電灯
  • 乾電池
  • 常用薬
  • 衛生用品
  • 季節に応じた暑さ・寒さ対策

なども確認しましょう。

すでに備蓄している家庭では、

賞味期限や使用期限も確認しておきたいところです。

4.家具と寝室を確認する

大きな地震が起きた場合、

家具の転倒や物の落下によってけがをする可能性があります。

特に、

「寝ている場所に家具が倒れてこないか」

を確認してみてください。

家具の固定や配置の見直しなど、

今できる対策もあります。

5.家族で5分だけ話す

今日、家族全員で長い防災会議をする必要はありません。

まず5分だけ、

「大きな地震が起きたら、どうする?」

と話してみてください。

その会話から、

避難場所を知らなかった。

防災用品の場所を知らなかった。

集合場所の認識が違っていた。

といったことに気づくかもしれません。

その気づきが、

家庭の防災を始める大切な一歩

になります。

3.企業・個人事業主が今日から始められる5つの行動

中小企業や個人事業主も、

最初から大掛かりなBCPを作り直す必要はありません。

まずは、次の5つから確認してみましょう。

1.最優先で守る仕事を一つ決める

災害時にすべての業務を同時に続けることは難しい場合があります。

そこで、

「止まると一番困る仕事は何か」

を一つ考えてみます。

たとえば、

  • 顧客への連絡
  • 受発注
  • 商品の発送
  • 製造
  • 決済
  • 給与の支払い
  • 重要データへのアクセス

などです。

会社によって答えは違います。

まず一つ決めるだけでも、

BCPを考える方向が見えてきます。

2.社長不在時の判断者を決める

災害時に社長が会社にいるとは限りません。

そこで、

「社長と連絡が取れなければ、誰が判断するか」

を決めておきます。

避難。

休業。

顧客への連絡。

従業員への指示。

こうした初動を、誰が判断するのかを明確にします。

3.従業員の安否確認を一度試す

緊急連絡網があっても、

実際に使えるかどうかは別の話です。

一度、

「安否確認訓練です」

と連絡してみましょう。

すると、

  • 連絡先が古い
  • グループに入っていない人がいる
  • 誰が回答を集めるのかわからない

といった問題が見つかるかもしれません。

4.重要データのバックアップを確認する

パソコンが壊れた場合、

仕事を再開できるでしょうか。

顧客情報。

受注情報。

会計情報。

契約書。

設計データ。

こうした重要データについて、

「別の場所から復元できるか」

を確認しておきます。

バックアップを取っているつもりでも、

一度も復元を試したことがない場合は、

実際に使えるか確認しておくことも大切です。

5.取引先への連絡方法を確認する

災害時は、

自社だけでなく取引先も被災している可能性があります。

そのため、

  • 主要顧客
  • 主要仕入先
  • 金融機関
  • 設備業者
  • 物流会社

などの連絡先を一度確認します。

特に、

「担当者のスマートフォンにしか連絡先が入っていない」

という状態になっていないか確認してみましょう。

4.BCP・ジギョケイを「動く仕組み」に変える

BCPや事業継続力強化計画、いわゆるジギョケイをすでに作っている企業は、

この機会に、

「今の会社でも本当に動くか」

を確認してみてください。

確認するポイントは難しくありません。

大きく分けると、

  • 見直す
  • 伝える
  • 試す
  • 直す

の4つです。

見直す

人員、連絡先、設備、取引先、事業内容などが現在と合っているか確認します。

伝える

経営者だけでなく、従業員にも必要な内容を共有します。

特に、

  • 最初に何をするか
  • どこへ避難するか
  • 安否をどう報告するか
  • 誰が判断するか

は重要です。

試す

安否確認、避難、責任者不在など、

一部だけでも実際に試してみます。

直す

訓練で見つかった問題を修正します。

そして、また試します。

この繰り返しによって、

BCPは少しずつ、

「書類」から「会社の仕組み」

へ変わっていきます。

事業継続力強化計画についても、

認定を受けることだけを目的にするのではなく、

日々の防災や事業継続に活用していくことが重要です。

計画書があることは大切です。

しかし、

「その計画を知っている人がいる」

さらに、

「その計画どおりに動ける」

ところまで進めて初めて、

実効性のある備えに近づいていきます。

5.完璧を目指さず、続けられる備えにする

防災を続けるうえで、

とても大切なことがあります。

それは、

「最初から完璧を目指さないこと」

です。

防災用品を全部そろえる。

BCPを完璧に作る。

全従業員へ一度に教育する。

大規模な訓練を行う。

これらを一度にやろうとすると、

負担が大きくなり、結局何も始められないことがあります。

だからこそ、

「今日は一つだけ」

で構いません。

今日は避難場所を確認する。

来週は備蓄を見る。

次の会議で安否確認方法を確認する。

来月は社長不在を想定した話し合いをする。

このように、

小さく続けていく方法があります。

防災は、

「完成させるもの」

ではありません。

家族構成も変わります。

会社の人員も変わります。

取引先も変わります。

建物や設備も変わります。

災害への備えも、

それに合わせて変わっていく必要があります。

だからこそ、

「定期的に見直すこと」

が大切なのです。

そしてもう一つ、

防災を恐怖だけで続けようとしないことも重要です。

「災害が怖いから備える」

だけではなく、

「大切な人や仕事を守るために備える」

と考える。

そのほうが、日々の行動につなげやすくなります。

今日からできる「10分防災」

ここまで読んで、

「やることが多い」

と感じた方もいるかもしれません。

そこで最後に、

今日10分でできることをまとめます。

個人・家庭の場合

  • 自宅のハザードマップを見る
  • 避難場所を確認する
  • 家族の連絡方法を確認する
  • 防災用品の場所を確認する
  • 寝室の家具配置を確認する

中小企業の場合

  • 従業員の緊急連絡先を確認する
  • 社長不在時の判断者を決める
  • 最重要業務を一つ決める
  • 避難場所を従業員へ聞いてみる
  • BCP・ジギョケイの最終更新日を確認する

個人事業主の場合

  • 重要データのバックアップを確認する
  • 進行中の仕事を整理する
  • 主要顧客の連絡先を確認する
  • 自分が数日動けない場合を想像する
  • 代わりにできる方法を一つ決める

全部やらなくても構いません。

この中から一つだけ選んでください。

その一つを今日実行する。

それだけでも、

昨日より備えは前に進んでいます。

Decision Brief

企業や個人事業主の方は、最後に次の内容を一枚にまとめてみてください。

  • テーマ: 大規模災害への備えと事業継続
  • 推奨アクション: 現在の防災対策・BCP・ジギョケイを見直し、周知と簡易訓練を実施する
  • 主要根拠: 人員・設備・取引先・事業内容は変化するため、過去の計画が現在も有効とは限らない
  • 守るもの: 従業員・顧客の安全、重要業務、重要情報、取引関係
  • 主なリスク: 地震、台風、豪雨、浸水、停電、通信障害、交通途絶、仕入れ停止
  • 最初の行動: 人・連絡先・避難場所・最重要業務の4点を確認する
  • 担当: 経営者、防災担当、各部門責任者
  • 確認方法: 安否確認訓練、避難場所確認、責任者不在を想定した話し合い
  • 見直し: 定期確認に加え、人員・設備・拠点・取引先などが変わったときに更新する
  • 次の一手: 今日、10分でできる確認を一つ実行する

まとめ+要約

5日間を通して、最後に覚えておきたいのは次の5点です。

  • 大規模災害への備えは、一度行えば終わりではありません。
  • 家庭でも企業でも「人・場所・情報・モノ・仕事」の視点で確認することが大切です。
  • BCPやジギョケイは、作成後の見直し・周知・訓練まで行ってこそ実際に機能します。
  • 経営者や家族の一部だけではなく、関係する人みんなが最低限の行動を知っていることが重要です。
  • 完璧を目指すより、今日できる一つを実行し、継続的に見直すことが実効性のある備えにつながります。

次の一手:この記事を閉じる前に、「今日やる防災」を一つだけ決めてください。

ハザードマップを見る。

家族へ聞く。

従業員の連絡先を確認する。

BCPを開いてみる。

備蓄を見る。

何でも構いません。

大規模災害への備えで最も避けたいのは、

「大切だと分かっていたけれど、結局何もしなかった」

という状態です。

小さくても、

今日一つ行動する。

そして、ときどき確認する。

それを繰り返すことが、

家族を守り、

従業員を守り、

お客様を守り、

事業を守る備えにつながっていきます。

FAQ

Q1.防災は何から始めるのが一番よいですか?

まずは、自宅や会社で起こり得る災害を知ることから始めると整理しやすくなります。

ハザードマップなどを使い、

  • 洪水
  • 土砂災害
  • 津波
  • 地震

などのリスクを確認します。

そのうえで、

「誰を守るか」

「どこへ避難するか」

「どう連絡するか」

を決めていくとよいでしょう。

一度にすべてを行う必要はありません。

まず一つ確認することから始めてください。

Q2.BCPやジギョケイは作成してあります。それでも何かする必要がありますか?

作成済みの場合は、

「今の会社でも本当に使えるか」

を確認することが重要です。

たとえば、

  • 責任者は現在も同じか
  • 従業員の連絡先は最新か
  • 主要取引先は変わっていないか
  • 重要業務は現在も同じか
  • 避難場所は現在も適切か

などを確認してみてください。

さらに、安否確認や避難など一部だけでも実際に試してみると、

計画書だけでは気づかなかった問題が見つかることがあります。

Q3.何度考えても、防災対策が十分なのか不安です。

大規模災害のすべてを予測し、完全に備えることは現実的ではありません。

だからこそ、

「絶対に被害を受けない状態」

を目指すのではなく、

「被害を受けても次の行動を取れる状態」

を目指すことが大切です。

そのためには、

  • 避難方法を決める
  • 代わりの連絡手段を決める
  • 代わりに判断する人を決める
  • データをバックアップする
  • 定期的に確認する

といった対策を一つずつ進めます。

「まだ足りないところがある」と気づけていること自体が、見直しを続けるきっかけになります。

5日間シリーズを振り返る

  1. Day1: 大規模災害への備え、今こそ見直すべき理由
  2. Day2: 自宅・店舗・会社、本当に必要な災害への備えとは
  3. Day3: BCP・ジギョケイは「作って終わり」になっていませんか
  4. Day4: 家族・従業員に伝わってこそ備えになる
  5. Day5: 災害が起きる前に、今日から何を始めるか

この5日間でお伝えしたかったことは、

防災用品をたくさん買うことでも、

分厚い計画書を作ることでもありません。

一番大切なのは、

「自分たちの備えを自分たちで確認し、実際に動ける状態にしておくこと」

です。

家庭なら家族と。

会社なら従業員と。

個人事業主なら自分の仕事や取引先と向き合いながら。

この機会に一度、

災害への備えを見直してみてはいかがでしょうか。

出典・参考情報

ご相談について

📩 「自宅や会社の備えを一度整理したい」「BCPやジギョケイを作ったまま見直せていない」「従業員への周知や訓練をどう進めればよいかわからない」など、災害への備えや事業継続について個別のご相談も承っています。

災害対策は、

「完璧な計画を作ること」

が目的ではありません。

大切なのは、

「いざというときに、人が動ける状態を作ること」

です。

今ある備えを確認し、

足りないところから一つずつ整えていく。

その積み重ねが、

家族や従業員を守り、

事業を守る力につながります。

こちらからご相談ください

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