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自宅・店舗・会社、本当に必要な災害への備えとは

自宅・店舗・会社、本当に必要な災害への備えとは

自宅・店舗・会社、本当に必要な災害への備えとは

Executive Summary

  • 防災は「防災用品を買うこと」だけではありません。
  • 自宅や会社の災害リスクを知ることが出発点です。
  • 人・場所・情報・モノ・仕事の5つを確認します。
  • 戸建て、マンション、店舗では備え方が異なります。
  • 重要なのは、災害時に実際に使える備えにすることです。

前回のDay1では、災害への備えは「一度すれば終わり」ではなく、家族や従業員を含めて、実際に動ける状態になっていることが大切だとお伝えしました。

では、実際には何を確認すればよいのでしょうか。

防災というと、

「水を買う」

「非常食を用意する」

「防災バッグを準備する」

といった「モノの備え」を思い浮かべる方が多いかもしれません。

もちろん、これらは欠かせない備えです。

しかし、大規模な地震や台風、豪雨が起きたときに必要になるのは、モノだけではありません。

どこへ避難するのか。

家族や従業員とどう連絡するのか。

電気や水道が止まったらどうするのか。

店舗や会社が使えなくなったら仕事をどうするのか。

こうしたことまで考えて初めて、備えは現実に近づいていきます。

今回は、家庭でも会社でも使える考え方として、

「人・場所・情報・モノ・仕事」

という5つの視点から、災害への備えを整理してみましょう。

目次

  1. まず「自分の場所では何が起こるか」を知る
  2. 「人」の備え―家族や従業員はどう動くのか
  3. 「モノ」の備え―水と食料だけではない
  4. 戸建て・マンション・店舗・事務所で備えは変わる
  5. 「仕事」の備え―会社や店舗が使えなくなったら

1.まず「自分の場所では何が起こるか」を知る

災害への備えを考えるとき、最初にやってほしいことがあります。

それは、

「自宅や会社がある場所では、どんな災害が起こる可能性があるのか」

を確認することです。

同じ防災でも、場所によって備えるべき内容は変わります。

河川の近くなら、洪水や浸水への備えが重要になるでしょう。

山や崖の近くなら、土砂災害を考える必要があります。

海に近い地域であれば、津波についても確認しておかなければなりません。

地震の場合も、揺れだけではなく、液状化や火災、道路の寸断など、地域によって考えるべきことが異なります。

そこで役立つのがハザードマップです。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水、土砂災害、高潮、津波など、さまざまな災害リスクに関する情報を確認できます。

自宅だけ確認して終わりではありません。

中小企業や個人事業主の方なら、

  • 店舗
  • 事務所
  • 工場
  • 倉庫
  • 駐車場
  • 従業員がよく使う通勤経路

などについても確認してみましょう。

たとえば、会社そのものは浸水しない場所にあったとしても、従業員が通勤に使う道路や橋が通れなくなる可能性があります。

取引先へ向かう道路が使えない可能性もあります。

災害は、

「建物が壊れるかどうか」だけで考えないこと

が大切です。

まずは自分のいる場所で起こり得ることを知る。

そこから、本当に必要な備えが見えてきます。

2.「人」の備え―家族や従業員はどう動くのか

防災用品より先に確認しておきたいものがあります。

それが、

「人はどう動くのか」

です。

たとえば平日の午後2時に大きな地震が起きたとします。

家族はどこにいるでしょうか。

自宅。

会社。

学校。

買い物先。

病院。

外出先。

全員が同じ場所にいるとは限りません。

そこで、家庭で最低限確認しておきたいのが、

  • どこへ避難するのか
  • 家に戻れない場合はどうするのか
  • 電話がつながらない場合はどうするのか
  • 家族の安否をどう確認するのか
  • 高齢者や子どもを誰が確認するのか
  • ペットがいる場合はどうするのか

といったことです。

会社でも同じです。

「災害が発生したら社長の指示を待つ」

だけでは、社長と連絡が取れなかった場合に動けなくなります。

そのため、

  • 従業員の安全を誰が確認するか
  • 避難を誰が判断するか
  • 休業を誰が判断するか
  • 社長が不在の場合は誰が代わるか
  • 従業員への一斉連絡をどう行うか

といったことをあらかじめ決めておくと、いざというときの迷いを減らすことができます。

内閣府も、日頃から家族内や事業所内で安否確認の連絡方法や避難場所などを確認することを呼びかけています。

大切なのは、

「連絡先を持っていること」ではなく、 「実際にその方法で連絡できること」

です。

一度、家族や従業員同士で確認してみるだけでも、気づくことは少なくありません。

3.「モノ」の備え―水と食料だけではない

では、モノについては何を備えればよいのでしょうか。

内閣府は、家庭での備蓄について、

最低でも3日分、できれば1週間分程度

の食料や飲料水、携帯トイレ・簡易トイレ、トイレットペーパーなどを準備することを示しています。

ここで注目したいのは、

「水と食料だけではない」

という点です。

災害時には電気、ガス、水道、通信などが使えなくなる可能性があります。

すると、普段は当たり前に使っているものが突然使えなくなります。

たとえば、

  • 照明
  • 冷蔵庫
  • 電子レンジ
  • スマートフォンの充電
  • トイレ
  • エアコン
  • 給湯設備
  • インターネット

などです。

そのため、備蓄を考えるときは、

  • 飲料水
  • 普段食べ慣れている保存可能な食品
  • 携帯トイレ・簡易トイレ
  • トイレットペーパー
  • 懐中電灯や照明
  • 乾電池
  • モバイルバッテリー
  • 救急用品
  • 常用している薬
  • 衛生用品
  • 季節に応じた暑さ・寒さへの備え

など、自分や家族に必要なものを考えることが重要です。

小さな子どもがいる家庭なら、ミルクや離乳食、おむつなどが必要になるかもしれません。

高齢者がいる家庭では、薬や介護用品なども考える必要があります。

ペットがいる家庭なら、フードや水、ケージなどについても確認しておきたいところです。

つまり、

「一般的な防災用品リストを全部買えば安心」

というわけではありません。

大切なのは、

「自分たちが数日間生活するとしたら、何がなければ困るか」

と考えることです。

そして、買ったまま押し入れにしまい込むのではなく、食品や電池、薬などの期限も定期的に確認しましょう。

4.戸建て・マンション・店舗・事務所で備えは変わる

災害への備えは、どこでも同じではありません。

建物の種類や使い方によって、確認するポイントが変わります。

戸建て住宅の場合

戸建て住宅では、まず建物そのものや周辺環境について確認してみましょう。

  • 家具や家電が倒れないよう固定されているか
  • 寝室の周辺に倒れてくる家具がないか
  • 避難するとき玄関や通路を家具がふさがないか
  • 自宅周辺に浸水や土砂災害の危険がないか
  • ブロック塀などに危険がないか
  • 地震による電気火災への対策を考えているか

特に寝室では、

「寝ている場所に家具が倒れてこないか」

という視点で一度確認してみてください。

マンションの場合

マンションでは、建物が無事でも生活に影響が出る可能性があります。

たとえば停電すると、建物によっては、

  • エレベーター
  • 給水設備
  • オートロック
  • 機械式駐車場
  • 共用部分の設備

などに影響が出る場合があります。

高層階に住んでいる方の場合、エレベーターが使えなくなることも考えておく必要があります。

水や食料を備えていても、

「トイレが使えなくなったらどうするか」

まで考えていなかった、ということもあります。

マンションの防災マニュアルや管理組合のルール、指定されている避難方法についても一度確認しておきましょう。

店舗の場合

店舗には、お客様がいる状態で災害が発生する可能性があります。

そのため、

  • お客様をどこへ誘導するか
  • 非常口や避難経路をスタッフ全員が知っているか
  • 棚や商品が転倒・落下しないか
  • 停電時のレジや決済をどうするか
  • 閉店・休業を誰が判断するか
  • ホームページやSNSで誰が告知するか

なども確認したいポイントです。

特に、

「店長がいない時間帯でも動けるか」

を考えてみてください。

事務所の場合

事務所では、パソコンや通信環境が仕事の中心になっている企業も多いでしょう。

そこで確認したいのが、

  • パソコンや棚などの転倒防止
  • 重要データのバックアップ
  • 停電時の対応
  • インターネットが使えない場合の対応
  • 従業員が帰宅できない場合の備蓄
  • 出社できない場合の仕事の進め方

です。

「建物が無事なら仕事ができる」とは限りません。

パソコンが壊れる。

電気が止まる。

通信が使えない。

従業員が出勤できない。

こうした状況を一つずつ想像すると、必要な備えが見えてきます。

5.「仕事」の備え―会社や店舗が使えなくなったら

中小企業や個人事業主にとって、もう一つ忘れてはいけないのが、

「仕事をどう続けるか」

という備えです。

たとえば、自社の建物が被害を受けて3日間使えなくなったとします。

そのとき、何が一番困るでしょうか。

電話でしょうか。

パソコンでしょうか。

顧客情報でしょうか。

商品でしょうか。

製造設備でしょうか。

社長自身が動けないことでしょうか。

会社によって答えは違います。

だからこそ、

「自社にとって止まると最も困るものは何か」

を考える必要があります。

たとえば、

  • 顧客への連絡
  • 受発注
  • 商品の発送
  • 製造
  • 決済
  • 給与の支払い
  • 仕入れ
  • データへのアクセス

など、事業を続けるために欠かせない仕事を挙げてみます。

そのうえで、

「店舗が使えなかったら?」

「社長が不在だったら?」

「パソコンが壊れたら?」

「主要な仕入先から商品が届かなかったら?」

と考えてみます。

すると、

  • データを別の場所にも保存しておく
  • 仕入先を複数確保しておく
  • 社長以外にも判断できる人を決めておく
  • 自宅や別拠点でも一部の仕事ができるようにする
  • 顧客への緊急連絡方法を決めておく

といった具体的な対策につながっていきます。

中小企業庁の事業継続力強化計画でも、災害時の初動対応だけではなく、

「ヒト・モノ・カネ・情報」

を災害から守るための具体的な対策や、訓練、計画の見直しなどが重要な要素とされています。

難しく考える必要はありません。

まず、

「明日、この場所が使えなくなったら何に困るだろう?」

と問いかけてみてください。

その答えこそが、自社のBCPやジギョケイを考える入口になります。

一度、5つの視点で確認してみましょう

ここまでの内容を、家庭でも会社でも使える5つの視点にまとめます。

1.人

  • 家族や従業員の安否確認方法は決まっているか
  • 避難場所を共有しているか
  • 責任者が不在でも判断できるか

2.場所

  • 自宅や会社の災害リスクを把握しているか
  • ハザードマップを確認しているか
  • 避難経路を実際に確認したことがあるか

3.情報

  • 家族や従業員への連絡方法は決まっているか
  • 重要な連絡先をスマートフォン以外でも確認できるか
  • 会社の重要データはバックアップされているか

4.モノ

  • 水や食料の備蓄はあるか
  • 携帯トイレや簡易トイレを準備しているか
  • 停電や断水への備えがあるか
  • 薬や衛生用品など個人ごとに必要なものがあるか

5.仕事

  • 絶対に止めたくない仕事は何か
  • 店舗や事務所が使えない場合の方法はあるか
  • 社長や担当者が不在でも仕事を続けられるか
  • 取引先や顧客への連絡方法は決まっているか

全部に「はい」と答える必要はありません。

むしろ、

「ここは考えていなかった」

と気づくことが、今回の一番の目的です。

まとめ+要約

今回、覚えておきたいのは次の5点です。

  • 防災は、防災用品を買うことだけではありません。
  • まず自宅や会社の周辺で起こり得る災害を確認することが重要です。
  • 備えは「人・場所・情報・モノ・仕事」の5つから考えると整理しやすくなります。
  • 戸建て、マンション、店舗、事務所では、それぞれ確認すべきポイントが異なります。
  • 企業では「建物が使えない」「社長が不在」という状況まで考えることが事業継続につながります。

次の一手:今日、自宅または会社の住所をハザードマップで確認してみてください。

そして、

「自分たちの場所で一番起こりそうな災害は何だろう?」

と家族や従業員と話してみてください。

防災用品を買い足すのは、そのあとでも構いません。

まず、自分たちにとって本当に必要な備えを知ること。

それが、実際に役立つ防災への第一歩です。

FAQ

Q1.水や食料はどれくらい備蓄すればよいですか?

内閣府では、食料や飲料水などについて、最低でも3日分、できれば1週間分程度を備えておくことが望ましいとしています。

ただし、必要な内容は家族構成によって変わります。

小さな子ども、高齢者、持病のある方、ペットなどがいる場合は、それぞれに必要なものもあわせて考えておきましょう。

また、食料や水だけでなく、携帯トイレ・簡易トイレ、衛生用品、照明、電源なども忘れずに確認することが大切です。

Q2.ハザードマップを見ても、何を確認すればよいのかわかりません。

最初からすべてを理解する必要はありません。

まずは、自宅や店舗、会社が、

  • 洪水や浸水のおそれがある場所か
  • 土砂災害のおそれがある場所か
  • 津波のおそれがある場所か

などを確認してみましょう。

そのうえで、自治体が指定している避難場所や避難経路についても確認します。

地図を見るだけではなく、実際に避難場所まで歩いてみると、坂道、狭い道路、橋など、地図だけではわからないことに気づく場合もあります。

Q3.小さな会社なので、大掛かりなBCPまでは必要ないと思っています。

最初から何十ページもの計画書を作る必要はありません。

まずは、

  • 最優先で守る人は誰か
  • 止まると最も困る仕事は何か
  • 社長が不在なら誰が判断するか
  • 会社や店舗が使えなければどうするか
  • 顧客や取引先へ誰が連絡するか

というところから始めても構いません。

大切なのは、立派な計画書を作ることではなく、災害が起きたときに実際に動ける状態に近づけることです。

こうした内容を整理していくことが、BCPや事業継続力強化計画を考える土台にもなります。

出典・参考情報

ご相談について

📩 「自宅や会社の備えを一度整理したい」「何から確認すればよいかわからない」「BCPやジギョケイを今の会社に合わせて見直したい」など、災害への備えについて個別のご相談も承っています。

防災は、一度にすべてを完璧にする必要はありません。

今の備えを確認し、足りないところから一つずつ整えていくことが大切です。

こちらからご相談ください

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