
亡くなった後にしてはいけないこと
身内が亡くなった後、銀行口座からお金を下ろす、届け出を遅らせる、 支払いをする際の注意点を整理します。
- 想定読者:個人、家族持ち、個人事業主、フリーランス
- 読了時間:約5分
- タグ:相続、銀行口座、遺産分割、手続き
Executive Summary
- 口座のお金は勝手に使わない
- 葬儀費用でも記録が必要です
- 届け出を遅らせるのは危険です
- 相続人全員の確認が大切です
- 判断に迷う支払いは相談しましょう
身内が亡くなった後、多くの方が迷うのが 「銀行口座からお金を下ろしてよいのか」という問題です。 葬儀費用、病院代、家賃、公共料金など、 すぐに支払いが必要なものもあります。
しかし、亡くなった方の預金は相続財産です。 家族だからといって、何の確認もなく自由に使ってよいものではありません。 本稿では、やってよいこと、避けたいこと、 必ず記録すべきことを整理します。
感情的にも金銭的にも負担が大きい時期だからこそ、 「後から説明できる形」にしておくことが大切です。
1. 銀行口座からお金を下ろしてよいのか
結論からいうと、 亡くなった方の口座から勝手にお金を下ろすことは避けるべきです。
金融機関が死亡を把握すると、口座は相続手続きが終わるまで 凍結されるのが一般的です。 凍結解除には、金融機関所定の請求書、戸籍謄本、 印鑑証明書などが必要になることがあります。
よくある相談は、次のようなものです。
| よくある行動 | 注意点 |
|---|---|
| 死亡後にATMで引き出す | 他の相続人から使途を問われる可能性 |
| 葬儀費用に使う | 領収書と記録が必要 |
| 生活費に使う | 相続財産の私的利用と見られる可能性 |
| 口座を隠す | 相続トラブルの原因になる |
悪気がなくても、「なぜその金額を下ろしたのか」 「何に使ったのか」を説明できないと、 後から家族間の不信感につながります。
2. やってはいけない行動
特に避けたいのは、次の行動です。
| してはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 相続人に黙って預金を下ろす | 不公平感や争いの原因になる |
| 現金を分けてしまう | 財産全体が見えなくなる |
| 死亡届を意図的に遅らせる | 期限違反や手続き遅延につながる |
| 借金の有無を確認せず財産を使う | 相続放棄の判断に影響する可能性 |
| 領収書を残さない | 後から説明できない |
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。 届け出を遅らせても、相続や税金の問題がなくなるわけではありません。
参考: 法務省「死亡届」
3. 葬儀費用や病院代の扱い
葬儀費用や病院代は、家族が立て替えることも多い支払いです。 ここで大切なのは、 誰が、いつ、何を、いくら支払ったか を残すことです。
| 支払い | 残すもの |
|---|---|
| 葬儀費用 | 見積書、請求書、領収書 |
| 火葬費用 | 領収書 |
| 病院代 | 請求書、領収書 |
| 介護施設費 | 請求書、領収書 |
| 公共料金 | 明細、通帳履歴 |
「家族だから大丈夫」と思っていても、 相続人が複数いる場合は後から確認されることがあります。 特に再婚家庭、兄弟姉妹が多い家庭、疎遠な相続人がいる家庭では、 記録が重要です。
4. 遺産分割前の預金払戻し制度
葬儀費用や当面の生活費が必要な場合、 一定の範囲で、遺産分割前でも相続預金の払戻しを受けられる制度があります。
全国銀行協会の資料では、家庭裁判所の判断を経ずに払戻しできる制度について、 口座ごとに 「相続開始時の預金額 × 3分の1 × 払戻しを行う相続人の法定相続分」 で計算し、同一金融機関では150万円が上限とされています。
ただし、金融機関ごとに必要書類や運用が異なります。 自己判断でATMから引き出すのではなく、 金融機関の相続窓口に相談しましょう。
5. まとめ
- 亡くなった方の口座から勝手に下ろさない
- 葬儀費用でも領収書を残す
- 死亡届を意図的に遅らせない
- 借金の有無を確認する
- 必要なら預金払戻し制度を相談する
次の一手: 支払い・引き出し・立て替えの記録表を作りましょう。
FAQ
Q1. 葬儀費用なら故人の口座から下ろしてもよいですか?
勝手に下ろすのは避けた方が安全です。 相続人全員に説明できるよう、金融機関へ相談し、 領収書や支払い記録を残してください。
Q2. 死亡届を出すと口座がすぐ凍結されますか?
役所に死亡届を出したことが金融機関へ自動的に通知されるわけではありません。 ただし、金融機関が死亡を把握すると相続手続きが必要になります。
Q3. 口座が凍結されたら葬儀費用はどうしますか?
相続預金の払戻し制度を使える場合があります。 金融機関の相続窓口で、必要書類と上限額を確認しましょう。
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