
2026年7月の経審見直しで何が変わるのか
Executive Summary
- 2026年7月から経審が変わります
- 見直しの柱は3つあります
- 人材確保と災害対応が重視されます
- 点数だけでなく準備力が問われます
- 早めの確認が経営の差になります
経営事項審査は、公共工事を直接請け負うために必要な大事な審査です。2026年7月1日以降の申請から、その審査項目の一部が見直されます。今回の見直しは、単なる制度変更ではありません。これからの建設会社に求められる「人を育てる力」「地域を守る力」「制度改正に対応する力」を、よりはっきり評価する流れだと見るべきです。国土交通省は、今回の見直しの視点として、担い手の育成・確保、災害対応力の強化、そして建設業許可要件の改正を踏まえた整理を示しています。
1. 経審とは何か
経審は、国や自治体などの公共工事を直接受注したい建設業者が受ける審査です。入札参加資格審査のうち、会社の規模、財務内容、技術力、社会性などの客観的な部分を点数化する仕組みです。つまり、売上だけでなく、会社の体制や信頼性も見られる制度です。
2. 2026年7月見直しの3つの柱
今回の見直しで国が示している柱は、次の3つです。
まず1つ目は、担い手の育成・確保です。人手不足や技能者の高齢化が進む中で、処遇改善や育成の取組をきちんと評価しようという流れです。CCUSの就業履歴蓄積や、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」もこの文脈で位置づけられています。
2つ目は、地域の守り手としての災害対応力の強化です。国土交通省は、災害時の応急復旧などで使われる建設機械について、経審での加点対象を広げる方向を示しています。災害時に動ける会社が、地域にとって重要だという考え方が、制度にも反映されるわけです。
3つ目は、建設業許可要件の改正を踏まえた見直しです。これまで評価していた一部項目について、制度全体との整合を取り直す動きがあります。代表例として、雇用保険、健康保険、厚生年金保険の加入状況に関する評価項目は削除されます。
3. 中小企業が早めに見るべき理由
今回の見直しは、大企業だけの話ではありません。むしろ中小企業ほど、早めに準備する意味があります。
理由は3つあります。
1つ目は、少しの差が受注機会に影響しやすいことです。公共工事では、参加資格や格付けの印象が大事になります。
2つ目は、すぐに証明できない項目があることです。人材育成やCCUS活用、自主宣言は、思い立ってすぐ点になるものではありません。
3つ目は、経営の方向性そのものが問われることです。今回の改正は、単なる書類対応ではなく、「どんな会社を目指すのか」が見える制度変更です。
4. まず押さえたい経営視点
経営者が最初に考えるべきなのは、点数の細かい計算より前に、次の3点です。
自社は公共工事の比重を今後どうするか
公共工事を伸ばしたいなら、経審対応は守りではなく攻めです。
人材と現場体制に投資する意思があるか
今回の見直しは、人を大切にする会社を後押しする色合いがあります。
災害時に地域で役割を果たせる会社か
保有機械や地域対応力は、平時には見えにくくても、制度上の評価につながります。
まとめ
- 2026年7月1日以降の申請から見直しが適用されます
- 柱は人材確保、災害対応、制度整合の3つです
- 社会性等の評価の中身が変わります
- 中小企業ほど早めの準備が有利です
- 書類対応ではなく経営方針の見直しが重要です
次の一手:まずは、自社が現在どの項目で加点・減点の可能性があるかを一覧にしてください。
FAQ
Q1. 今すぐ何か申請しないといけませんか。
直ちに全社で一斉対応が必要とは限りませんが、2026年7月1日以降の申請に影響するため、今のうちに現状確認を始める価値は高いです。
Q2. 小規模な会社でも関係ありますか。
あります。特に公共工事の受注を続けたい会社、広げたい会社には影響があります。人材育成や体制整備の差が見えやすくなります。
Q3. まず何から見ればよいですか。
自社の経審結果、CCUSの運用状況、機械保有、退職金制度や法定外労災の加入状況など、すでにある材料から確認するのが現実的です。
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