
2026年分(令和8年分)の生命保険料控除をテーマにした、全5回シリーズのDay4の記事です。
2025〜2026年でやっておきたい「家計+保険」90日チェックリスト
この記事の要点(5行でサッと理解)
- 2026年分の生命保険料控除の時限措置は、「準備しておくと安心」なテーマですが、今からでも間に合います。
- ポイントは、保険だけでなく「家計全体」を90日くらいで一度整理しておくことです。
- Day4では、「30日ごとの3フェーズ」で何をやるかを、具体的なチェックリストに落とし込みます。
- 「誰が何を担当するか(夫婦・FPなど)」を決めておくと、途中で止まりにくくなります。
- 最後は、2026年の特例に振り回されず、「わが家の基準」で判断できる状態を目指します。
2026年分の生命保険料控除が一時的に手厚くなる、というニュースを聞いても、 「何から手をつけたらいいのか」「いつまでに何をやればいいのか」が見えないと、 結局「まあそのうち」で終わってしまいがちです。
一方で、保険の営業トークは「今だけ」「今年中に」「おトクに間に合います」といった言葉が多く、 焦って契約してしまい、あとで振り返ると 「家計に合っていなかった…」ということも少なくありません。
そこでDay4では、 2025〜2026年のあいだに、どのタイミングで何をやると安心か を、「約90日」を目安にしたロードマップとして整理します。 すべて完璧にやる必要はありませんが、 「この順番で、ここだけは押さえておこう」 という目安があるだけでも、心の負担はぐっと軽くなります。
1. なぜ「90日」で考えるのか:一気にやろうとしないための工夫
家計や保険の見直しは、 「やったほうがいいのは分かっているけれど、つい後回しになる代表選手」 のような存在です。 仕事や子育て、日々の家事の合間に、 書類を集めて、保険証券を読み込み、FPに相談して…となると、 正直なところ、とても大変です。
そこでおすすめなのが、 「90日(約3か月)」くらいを目安に、3つのフェーズに分けて考えること です。
- フェーズ1(0〜30日):現状をざっくり見える化する
- フェーズ2(31〜60日):必要な保障と家計のバランスを整理する
- フェーズ3(61〜90日):具体的なプランの決定と手続き
このくらいのスパンで考えると、 「今月はここだけやる」「来月はここまで進める」という 小さなゴールを設定しやすくなり、 結果として最後までたどり着ける可能性が高まります。
2. 90日ロードマップ:3フェーズでやることを分ける
フェーズ1(0〜30日):現状をかんたんに「見える化」する
最初の30日間は、「情報を集めて、ざっくり整理すること」がゴールです。 この段階では、難しい判断をしようとせず、 「事実をそろえる」 ことだけに集中しましょう。
- 加入している保険(生命・医療・がん・学資など)の一覧をつくる
- それぞれの保険について、「保険会社名・商品名・保険期間・保険料」をメモする
- 年末調整の控除証明書や、保険料の引き落とし明細をファイルやフォルダにまとめる
- 手取り収入・固定費(家賃・住宅ローン・保険料・通信費など)の一覧をつくる
- 23歳未満の扶養親族がいるかどうか、2026年末時点の年齢でざっくり確認する
このフェーズは、家計の「健康診断票づくり」のようなイメージです。 問題を見つけることが目的ではなく、 「今の状態をそのまま写しとる」 ことができれば十分です。
フェーズ2(31〜60日):必要な保障と家計のバランスを整理する
次の30日間では、集めた情報をもとに、 「本当に必要な保障」と「家計の負担」のバランス を考える時間にあてます。
- 万一のときに必要な金額(生活費・住宅・教育費)をざっくりイメージする
- 公的保障(遺族年金・健康保険)や会社の制度(死亡退職金等)の有無を確認する
- それらを差し引いたうえで、「民間保険でカバーしたい金額」のイメージをもつ
- 現在の保険が、その必要額と合っているかをざっくり比較する
- 過不足があれば、「増やす候補」「減らす候補」をメモする
- 保険料の総額が、「手取り月収の何%までなら安心か」を家族で話し合う
ここでも、細かい計算にこだわる必要はありません。 大切なのは、 「なんとなく入っている保険」から、「理由があって持っている保険」に変えていくきっかけ にすることです。
フェーズ3(61〜90日):具体的なプランの決定と手続き
最後の30日間で、 「やること・やらないこと」を決めて、必要な手続きを進めるフェーズ です。
- 「残す保険」「減らす保険」「検討する保険」を3つに仕分ける
- 2026年分の生命保険料控除の特例もふまえ、無理のない範囲での保険料上限を確定する
- 必要に応じて、FPに相談し、第三者の目で家計全体をチェックしてもらう
- 解約・減額・見直しが必要な保険は、手続きの流れとタイミングを確認する
- 新しく加入する場合は、「保険料」「期間」「解約時の条件」を必ず書面で確認する
- 最終的に、「わが家の家計と保険の基本ルール」をメモに残す
このフェーズが終わるころには、 「2026年の特例がなくても納得できる保険と家計」 になっていることを目指します。 特例はあくまでおまけであり、 それがなくても家計がちゃんと回る状態をつくっておけると安心です。
3. 夫婦とFPで分担する「役割分担(RACI)イメージ」
見直しが進まない一番の理由は、 「誰が何をするのか」があいまいなままになっていること です。 そこで、「RACI」という考え方を使って、 ざっくりと役割をイメージしてみましょう。
※RACIとは、プロジェクトなどで使われる役割分担の考え方で、
R=実務担当(Responsible)、A=最終責任者(Accountable)、
C=相談相手(Consulted)、I=共有を受ける人(Informed)を意味します。
| タスク | 夫 | 妻・パートナー | FP |
|---|---|---|---|
| 保険証券・控除証明書の準備 | R主に集める | I状況共有を受ける | |
| 現在の家計(収入・支出)の整理 | R数字をまとめる | C支出内容を一緒に確認 | |
| 万一の必要額のざっくり試算 | C相談しながら考える | A家族としての基準を決める | C前提条件について助言 |
| 保険を「残す・減らす・検討」に仕分け | R一次案をつくる | A最終判断 | C専門的な観点から確認 |
| 具体的な商品・プランの比較 | C条件の優先度を出す | C家計感覚でチェック | R候補案の提示 |
| 解約・減額・加入などの手続き | R手続き実行 | I内容を共有される | C手続き方法の説明 |
ここで大事なのは、 「最終的な決定権は家族側にある」 という点です。 FPはあくまで「相談相手(C)」や「候補を出す役(R)」であり、 「決める人(A)」ではありません。 2026年の特例をどう活かすかも含めて、 「わが家としてどうしたいか」を決めるのは、あくまでご自身です。
4. よくあるつまずきポイントと、その回避策
4-1. ポイント1:「忙しくて、フェーズ1の途中で止まってしまう」
多くの方がつまずくのが、フェーズ1の「書類を集めるところ」です。 忙しいと、ここで止まってしまい、 「やっぱり時間がないから後でいいや」となりがちです。
回避策:
- 「1日10分だけ」「土日のどちらか30分だけ」など、時間をあらかじめ決めておく
- 家族LINEやカレンダーアプリに「保険書類の日」として予定を入れておく
- 全部を一度にやろうとせず、「今日は生命保険だけ」「来週は医療保険だけ」と分ける
4-2. ポイント2:「保険の内容が難しくて、読む気がしない」
約款やパンフレットは文字が多く、読もうとすると疲れてしまいます。 しかし、すべてを細かく読む必要はありません。
回避策:
- まずは「いつまで」「いくら出る」「いくら払う」の3つだけメモする
- わからない専門用語は、メモに丸をつけておき、FP相談のときにまとめて聞く
- 「理解できないからダメ」と決めつけるのではなく、「理解できる状態にするために人を頼る」と考える
4-3. ポイント3:「おトクそうな話を聞くと、つい気持ちが動いてしまう」
2026年の特例に限らず、 「今だけ」「おトク」という言葉には、どうしても心が動かされます。 これは人間として自然なことなので、自分を責める必要はありません。
回避策:
- その場で決めないルールをつくる(必ず一晩おく、家族と話す、など)
- 「このプランを選ばなかったときのデメリット」をFPに聞いてみる
- 「特例がなくなっても続けたい契約か?」を自分に問いかける
5. 家計+保険のチェックリスト(印刷・保存用)
※このチェックリストは、印刷してペンでチェックしたり、スマホのメモにコピペして使っていただくことを想定しています。
- 2026年末時点で、23歳未満の扶養親族がいるかどうかを確認した
- 加入中の生命保険・医療保険・がん保険・学資保険を一覧にした
- それぞれの保険について、「いつまで」「いくら出る」「いくら払う」をメモした
- 手取り収入と、保険料を含む固定費の合計を整理した
- 保険料が手取り月収の何%くらいかをざっくり把握した
- 万一のときの必要額(生活費・住宅・教育費)をざっくりイメージした
- 公的保障(遺族年金など)や会社の制度について、一度は調べてみた
- 民間保険でカバーしたい金額のイメージを持った
- 「残す保険」「減らす保険」「検討する保険」に仕分けした
- 保険料の上限(手取りの◯%まで)という「わが家ルール」を決めた
- 必要であれば、家計全体を見てくれるFP相談の場を一度は持った
- 最終的な決定内容を、家族で共有できるメモやノートにまとめた
すべてにチェックが付いていなくても大丈夫です。 「どこまで進んでいて、どこから先が手つかずか」 が分かるだけでも、一歩前進です。
6. まとめとNext Best Action
6-1. 今日のまとめ(5ポイント)
- 家計や保険の見直しは、一気にやろうとすると重く感じるため、「90日」を目安に3つのフェーズに分けると進めやすくなります。
- フェーズ1では現状の見える化、フェーズ2では必要な保障と家計のバランス整理、フェーズ3では具体的なプラン決定と手続きを行います。
- 夫婦とFPで「誰が何をするか」をゆるく決めておくことで、途中で止まりにくくなります。
- つまずきやすいポイントには共通パターンがあり、「時間を区切る」「分けて考える」「その場で決めない」といった対策が有効です。
- 2026年の生命保険料控除の特例は、「家計全体を見直すきっかけ」として活かすのが、本当に家計を守る使い方です。
6-2. Next Best Action(次の一手)
まずは、フェーズ1の中から「今週やること」を1つだけ決めて、カレンダーかスマホに予定として入れてみましょう。
明日のDay5では、 これまで4日間の内容を振り返りつつ、「最後に決めておきたいこと」と「FPの選び方」をまとめた「意思決定用のまとめ」 をお届けします。 取っておきたいポイントを1枚にぎゅっと整理していきます。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 90日でやりきれなかったら、意味がないでしょうか?
A. いいえ、少しずつでも進んでいれば、それだけで大きな意味があります。 大切なのは、「何もしていない状態」から抜け出すことです。 90日はあくまで目安なので、 120日かかっても、1年かかっても、「気づいたときから動き始めた」こと自体が価値 だと考えていただいて大丈夫です。
Q2. FPにはいつ相談するのがいいですか?最初からお願いしてもよいのでしょうか。
A. 最初からFPに相談しても問題ありませんが、 このDay4でご紹介したように、 最低限の情報(加入中の保険や収支のざっくりした数字)だけでも事前に整理しておくと、相談の時間を有効に使いやすくなります。 「自分ではここまでやってみましたが、この先の判断に不安があります」という状態で相談すると、より具体的なアドバイスをもらいやすくなります。
Q3. 2026年の特例に合わせて新しい保険に入らないと、損をしますか?
A. 特例はあくまで「すでに保険に入っている人」や「必要があって保険を検討している人」にとっての追い風のようなものです。 特例があるから入る、という順番で考える必要はありません。 むしろ、家計やライフプランに合っていない保険に入ってしまうと、特例が終わった後の負担が重くなり、トータルで損をする可能性もあります。 大事なのは、「特例がなくても続けていたいかどうか」という視点です。
📩 「90日ロードマップを一人で進めるのは不安」「途中で止まってしまいそう…」と感じた方は、
こちらからお気軽にご相談ください。
2026年分の生命保険料控除の時限措置もふまえながら、
保険だけでなく家計全体を一緒に整理し、
あなたのペースに合った進め方をご提案します。