
統計で見る家庭のリスク:どこで何が起きているか
年7万件前後の自転車関連事故。交差点・歩道・夜間の特徴を把握し、家庭の優先対策に落とす。
本日の要点
- 自転車関連事故は年7万件前後で推移。
 - 対自動車の死亡・重傷は出会い頭・右左折が中心。
 - 歩道での対歩行者の重い事故が最多。
 - 夜間消灯は致死率が上昇。
 - 優先対策は交差点停止・歩道徐行・夜間点灯の3本柱。
 
数字は“驚くため”ではなく、“どこから対策するか”を決める羅針盤です。
本章では
(1)家庭に必要な最小限の統計読み方
(2)事故の型・場・時の典型パターン
(3)家庭ハザードマップの作り方
(4)ヒヤリログとKPI
(5)優先対策の実装
――の順で、データ→行動への橋渡しを行います。
1. 最小限の読み方(3観点)
- 量(どれくらい起きるか):年間の発生件数や構成比。増減より自分たちが遭遇しやすい場面に注目。
 - 型(どうぶつかるか):出会い頭・右左折・追突など。交差点型は注意配分の設計で減らせる。
 - 場(どこで起きるか):歩道・車道・横断歩道・路地。歩道は歩行者最優先、速度が出れば危険が跳ね上がる。
 - 時(いつ起きるか):通学時間帯・薄暮・夜間。視認性と焦りが重なる時間帯は危険。
 
2. 典型パターンと“家族対策”
- 交差点×出会い頭:停止線で止まる→左右→後方→アイコンタクト。右左折車の死角に入らない。
 - 歩道×対歩行者:徐行と間合い。歩行者から2〜3歩分の余白を意識し、追い越さず後ろで待つ判断も。
 - 夜間×無灯火:視認性が落ちる。前後ライト+反射材、明るい面の服装。
 - 狭路×路駐:ドア開放(ドアリング)を想定し、車列のすぐ横を通らない。
 
3. 家庭ハザードマップの作り方
- 素材:通学ルートを印刷(地図アプリでOK)。
 - 現地調査:昼/夜/雨でそれぞれ1回、家族で歩く&走る。
 - マーキング:危険度A(赤)/B(橙)/C(黄)で色分け。
 - 対策メモ:Aは“手順変更(押し歩き・ルート変更)”、Bは“速度管理”、Cは“注意喚起”。
 - 掲示:冷蔵庫と玄関に貼り、月次点検で更新。
 
TIP:写真を添えると“どこが危ないか”が一目で伝わる。
4. ヒヤリログとKPI
- 記録方法:日付/場所/天候/状況/原因/次の手を1行で。
 - 週次レビュー:家族会議5分で“今週のベスト対策”を1つ採択。
 - KPI:ヒヤリ件数/週、ライト点灯率、交差点停止率、遅刻ゼロ。
 
5. 優先対策の実装(行動メニュー)
- 交差点:停止線の手前で足を地面につけて止まる練習。右左折車の巻き込みを避けるため、前方へ無理に出ない。
 - 歩道:歩行者の背後についたら一旦ブレーキ→速度を歩行者並みに。ベル多用は避け、声がけは短く穏やかに。
 - 夜間:家を出る前にライトを必ずON。帰宅後に電池残量を確認。
 - 雨天:停止距離が伸びる前提で速度を落とし、ブレーキは早めかつやさしく。
 
6. 子ども向け“3枚学習”
- カード1(交差点):止まる→見る→合図する。
 - カード2(歩道):徐行→譲る→待つ。
 - カード3(夜間):点灯→反射→明色衣類。
 
まとめ
- 量:7万件前後、型:出会い頭・右左折、場:歩道、時:夜間に注意。
 
Next Best Action:夜間用のリアライト/反射材を今週中に家族分そろえる。
FAQ
昼より夜の方が危ないのはなぜ?
視認性低下と速度判断誤り。ライト点灯と反射でカバーしましょう。
歩道を使ってもいい?
標識で許可・やむを得ない場合に限り例外で可。ただし徐行義務があります。
統計はどの年の話?
直近5年合算・最新公表年の数値を中心に反映しています(公的資料に準拠)。
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