
中小企業が今すぐ取り組むべきサイバーセキュリティ対策
—5つの具体ステップ
被害が発生してからでは遅すぎます。本稿では、経営者が理解すべき法人向けセキュリティの基本対策を「5つのステップ」に整理。SIMスワップ対策も含め、今日から導入できる方法を解説します。
導入:被害後に気づく経営リスク
ある小売業の経営者は、クラウド会計サービスのアカウントを乗っ取られ、決算データが流出。取引先からの信用を失い、金融機関との交渉にも影響しました。「セキュリティ投資はコスト」ではなく「事業継続の保険」という認識が必要です。
ステップ1:社員教育と啓発
最も多い入口はフィッシングメール。経営層も含めた全員が標的となります。
- 不審メールを開かない・リンクを踏まない訓練(年2回)
- 被疑メールを即座に報告できる体制
- 経営者自ら「教育を受ける姿勢」を示すことで浸透率が向上
ステップ2:多要素認証(SMS依存からの脱却)
多くのサービスが2要素認証を提供していますが、SMS認証はSIMスワップに弱いためリスクがあります。
- 認証アプリ(Google Authenticator、Microsoft Authenticator等)へ切替
- 物理セキュリティキー(FIDO2対応)を導入
- 経営者・管理者アカウントは特にSMS依存を避ける
ステップ3:権限管理とアクセス制御
社員全員に「管理者権限」を与えている企業は少なくありません。これは攻撃者にとって格好の標的です。
- 最小権限の原則(必要な人に必要な範囲のみ権限付与)
- 退職者・異動者のアカウントを即日停止
- 権限付与・削除のログを定期的にチェック
ステップ4:バックアップと復旧計画
ランサムウェア対策の要は「復旧できるかどうか」です。
- 業務データを毎日バックアップ
- バックアップはオフライン媒体やクラウド別環境に保存
- 年2回は復旧テストを実施し、実際に戻せることを確認
ステップ5:外部専門家との連携
すべてを社内で完結するのは困難です。外部のセキュリティベンダーやIT顧問と連携し、定期的にリスク診断や監査を行うことがコスト以上の価値を生みます。
経営者・社員の個人対策
- スマホのPIN/生体認証を必ず設定
- キャリアで再発行ロックを有効化
- 個人SNSやメールも認証アプリで守る
- 家庭内のWi-Fiルータも初期パスワードから変更
要点まとめ
- 法人セキュリティは事業継続の保険
- SMS依存をやめ、認証アプリや物理キーを導入
- 社員教育・権限管理・バックアップ・外部連携の5本柱でリスクを低減
FAQ
Q1. 社員数10人程度でも本格的な対策は必要ですか?
はい。人数の多寡に関係なく攻撃対象になり得ます。むしろ少人数ほど「1人の権限」に依存しがちで、侵入された場合の影響が大きくなります。
Q2. 認証アプリはどれを使えば良いですか?
Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど主要なサービスに対応したものを選ぶと良いです。法人利用では管理機能がある「Authy」なども選択肢になります。
Q3. 専門業者に依頼するとどのくらいの費用がかかりますか?
規模や範囲によりますが、小規模企業向けの簡易診断は数万円から可能です。セキュリティ顧問契約でも月数万円程度から始められる場合があります。被害に遭った場合の損失額を考えると十分合理的な投資です。
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