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時限措置に振り回されない「わが家の決め方」とFPの選び方【Day5】

時限措置に振り回されない「わが家の決め方」とFPの選び方【Day5】

2026年分(令和8年分)の生命保険料控除をテーマにした、全5回シリーズの最終回(Day5)の記事です。

時限措置に振り回されない「わが家の決め方」とFPの選び方

この記事の要点(5行でサッと理解)

  • 2026年分の生命保険料控除の時限措置は、「使えたらラッキーなおまけ」であって、目的そのものではありません。
  • 大事なのは、「保険をどうするか」ではなく、「わが家のお金のルールをどう決めるか」です。
  • そのためのカギは、「3つの質問」と「家計全体を見てくれるFP選び」にあります。
  • 家族の中に出てきやすい反対意見や不安も、あらかじめ言葉にしておくと話し合いが進みやすくなります。
  • 今日は、4日間の内容を1枚にまとめる「意思決定シート」と、今後の行動につながるNext Best Actionをお伝えします。

Day1〜Day4までで、 「2026年分の生命保険料控除の時限措置がどんな内容なのか」「どんな人が影響を受けやすいのか」「家計全体とのバランスをどう考えるか」「90日で何を進めていけばよいか」 を、一つずつ整理してきました。

最終回のDay5では、いよいよ 「わが家としてどうするか、どこまで決めておけば安心か」 というゴールに向かって、まとめをしていきます。 ここで大切なのは、「正解を当てる」ことではなく、 「自分たちで納得して決めた」と言える状態をつくること です。

そのために必要な「3つの質問」と、「FPの選び方」、そして 家族で使える「意思決定シート」をご用意しました。 この記事を読み終えるころには、 「これをやったから、2026年の特例があってもなくても安心」と思える状態を目指していきましょう。

1. 4日間のふりかえり:押さえておきたい5つのポイント

まずは、ここまでの4日間でお伝えしてきた内容を、 「これだけ覚えておけばOK」という5つのポイント にまとめます。

  • ポイント1:2026年分の所得税に限り、23歳未満の扶養親族がいる人を対象に、一般生命保険料控除の上限が一時的に広がる予定。
  • ポイント2:「控除枠が増えるから保険を増やす」のではなく、「家計全体とのバランス」を見ないと、かえって損をしやすい。
  • ポイント3:得をしやすいケースもあれば、すでに保険料が重い人・控除の合計が上限に近い人などは、慎重に考える必要がある。
  • ポイント4:見直しは一気にやろうとせず、「90日」くらいでフェーズを分けて進めると、無理なくゴールにたどり着きやすい。
  • ポイント5:最終的には、「特例がなくても納得できる家計と保険」にすることが、いちばんの安心につながる。

今日は、これらをふまえたうえで、 「じゃあ、わが家として何をどこまで決めるのか?」 を整理していきます。

2. 「わが家の答え」を決める3つの質問

2026年の時限措置を前に、すべてを完璧に決めようとすると、 情報も多く、むしろ混乱してしまいます。 そこで、おすすめしたいのが、次の 「3つの質問」 から考える方法です。

質問1:わが家は「どんなリスク」をどこまでカバーしたいか?

まずは、「何がこわいのか」「何を守りたいのか」をはっきりさせます。

  • 万一のとき、誰の生活費を、何年間分守りたいか
  • 住宅ローンや家賃の支払いを、どこまで守りたいか
  • 子どもの教育費を、どのラインまで用意しておきたいか(高校まで・大学まで など)

ここで大切なのは、 「正しい数字」より「家族としての感覚」 です。 ざっくりでも、 「ここまでは守りたいよね」という会話ができれば、それが「わが家の基準」になります。

質問2:そのために、保険と貯蓄に「いくらまで回せるか」?

次に、「どれくらいカバーしたいか」が見えてきたら、 それに対して 「現実的に、毎月どれくらいなら無理なく回せるか」 を考えます。

  • 保険料の合計は、手取り月収の何%までなら安心か
  • 教育費や老後資金に回したいお金とのバランスは取れているか
  • 今後の収入や働き方の変化(転職・育休など)をざっくりイメージできているか

ここで決めておきたいのが、 「保険料の上限ライン」 です。 たとえば、 「保険料の合計は手取り月収の◯%まで」 といったルールを決めておくと、 2026年の特例についても、 「この範囲内でどう活かすか」と考えやすくなります。

質問3:そのうえで、2026年の時限措置を「どう使うか/使わないか」?

最後に、上の2つの質問をふまえたうえで、 「特例をどう位置づけるか」 を考えます。

  • ① すでに必要な保険に入っていて、そのままでも自然と恩恵を受けられそうだから、「特別な追加はしない」
  • ② 必要な保障が少し足りないので、家計に無理のない範囲で、「特例も参考にしながら必要分だけ増やす」
  • ③ 今は家計の余裕が少ないので、「特例は意識しすぎず、まずは家計の安定を優先する」

どのパターンを選んでもかまいません。 大事なのは、 「なんとなく」ではなく、「こういう理由で、この方針にした」と言えること です。 それが、将来振り返ったときに、自分たちの選択を肯定できる大きな材料になります。

3. 保険ではなく「家計」を見てくれるFPの選び方

ここまでの内容を読んで、 「自分たちだけでここまで整理するのは難しそうだな…」 と感じた方も多いかもしれません。 そのときに頼りになるのが、 ファイナンシャルプランナー(FP) です。

ただし、FPであれば誰でもよいわけではありません。 「保険だけ」ではなく、「家計全体」を一緒に見てくれるかどうか が、とても大事なポイントです。

3-1. こんなFPなら相談しやすい(チェックポイント)

  • 保険の話だけでなく、「家計」「住宅」「教育費」「老後資金」の話も自然にしてくれる
  • いきなり商品名を出すのではなく、「何を大事にしたいか」から聞いてくれる
  • メリットだけでなく、デメリットやリスクもきちんと説明してくれる
  • 「今は何もしない」という選択肢も含めて、一緒に考えてくれる
  • 相談のあと、「自分たちで考えるための宿題」をくれる(押し売りにならない)

3-2. ちょっと注意したいサイン

  • 会ってすぐに、特定の商品や会社の話に入ろうとする
  • 「今だけ」「この時期だけ」など、急がせる言葉が多い
  • 家計や将来の希望よりも、「いくらまで保険料を払えますか?」が中心の話になっている
  • 質問をすると、はぐらかされたり、説明があいまいになったりする
  • 「ほとんどの人がこうしています」と、まわりの事例だけで押してくる

もし少しでも不安を感じたら、 その場で決めずに、一度持ち帰ること をおすすめします。 そして、 「家計全体を一緒に見てくれるか」「わが家の基準を尊重してくれるか」 という目で、相談相手を選んでいきましょう。

4. 家族から出やすい反対意見・不安への答えかた

いざ家計や保険の話をしようとすると、 家族から次のような声が出てくることも多いです。 あらかじめ言葉にしておくことで、 感情的なすれ違いを減らし、建設的な話し合い がしやすくなります。

よくある声1:「今は忙しいから、また今度でいいんじゃない?」

こんな受け止め方ができます:

「たしかに今は忙しいよね」と、一度気持ちを受け止めつつ、 こう続けてみるのはいかがでしょうか。

「だからこそ、今日全部を決めなくていいように、
まずは今月中に“現状のメモだけ”一緒につくっておかない?
そうしたら、来月以降は少し気持ちが楽になると思うんだ。」

よくある声2:「保険のことはよく分からないし、任せるよ」

こんな受け止め方ができます:

「任せる」と言ってもらえるのは信頼の証でもありますが、 万一のときに困るのは、残された側かもしれません。

「ありがとう。ただ、もし何かあったときに困らないように、
“どんなときに、どんな保険がおりるか”だけは一緒に確認しておかない?
決めるのは私が中心でもいいけれど、知っておいてもらえると安心だから。」

よくある声3:「どうせ制度なんて、またすぐ変わるんじゃない?」

こんな受け止め方ができます:

たしかに、税金や社会保険のルールは、今後も変わっていく可能性があります。 だからこそ、 「制度そのもの」ではなく、「わが家のルール」を決めること に意味があります。

「そうだね、制度はこれからも変わっていくと思う。
だからこそ、“制度がどう変わっても、これだけは守りたい”という
わが家のルールを一度決めておきたいんだ。」

5. 1枚で整理できる「わが家の意思決定シート」

最後に、これまでの内容を1枚にまとめられる 「わが家の意思決定シート」 のひな形をご紹介します。 印刷して手書きで使っても、メモアプリにコピペして使ってもOKです。

▶ わが家の意思決定シート(2026年 生命保険料控除 時限措置版)

1. わが家の現状メモ

  • 2026年末時点で、23歳未満の扶養親族:あり/なし(            )
  • 保険料の合計(月額):約(    )円 / 手取り月収の(    )%くらい
  • 加入中の主な保険:生命(    )、医療(    )、その他(    )

2. 守りたいこと(リスクと優先度)

  • 万一のとき、守りたい生活費:月(    )円 × (    )年分
  • 住宅について:ローン完済・家賃確保など(              )
  • 教育費について:どこまで備えておきたいか(             )

3. 保険料と貯蓄のバランス

  • 保険料の上限ルール:手取りの(    )%までを目安とする
  • 貯蓄・資産づくりに回したい金額:月(    )円
  • 2026年の特例があっても、「この上限は超えない」と決める:はい/いいえ

4. 2026年の特例の扱い

  • 特例の位置づけ:
    ① 今の保険で自然に活用する/
    ② 必要な保障の範囲で少し活用する/
    ③ あえて意識しすぎず、家計の安定を優先する
  • 理由(簡単に):(                            )

5. 今後90日間の行動

  • フェーズ1(0〜30日):(例)保険証券を集めて一覧にする
  • フェーズ2(31〜60日):(例)必要な保障額と家計のバランスを整理する
  • フェーズ3(61〜90日):(例)FPに相談し、残す・減らす・検討するを決める

6. 家族の合意・メモ

  • 今日の話し合いで出た不安・希望:(                )
  • 最終的な方針:(                         )
  • 見直しの目安時期:(  年  月ごろに、もう一度見直す予定)

すべてをきれいに埋める必要はありません。 「少なくともここは決めておきたい」というところに、丸をつけて埋めていくだけ でも、十分に意味があります。

6. まとめとNext Best Action

6-1. シリーズ全体のまとめ(5ポイント)

  • 2026年分の生命保険料控除の時限措置は、一部の世帯にとってプラスになる一方で、「控除のために保険を増やす」と家計に負担をかけることもあります。
  • 大切なのは、「制度に合わせて動く」のではなく、「わが家のお金のルールを決める」という軸で考えることです。
  • 保険は、家計全体(収入・支出・貯蓄・ライフプラン)の中で位置づけて考えることで、「入りすぎ」「足りなさ」を防ぎやすくなります。
  • 見直しは90日くらいのスパンで、現状把握→バランス整理→具体的な手続き、という順番で進めると無理がありません。
  • 必要に応じて、家計全体を見てくれるFPと一緒に、「特例があってもなくても安心できる状態」を目指すのが、長い目で見たときの安心につながります。

6-2. Next Best Action(次の一手)

この記事の「意思決定シート」の中から、今日中に1か所だけでも書き込んでみてください。
たとえば、 「保険料は手取り月収の◯%まで」 といった、 わが家のルールを1つ決めるだけでもかまいません。

その1歩が、 「制度に振り回される側」から「自分たちで選ぶ側」 に立つための、大きな一歩になります。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 2026年の特例について、まだ細かいところが決まっていない気がして不安です。

A. 税制や社会保障のルールは、今後も変わっていく可能性があります。 だからこそ、 「制度の細かい数字」よりも、「わが家のお金のルール」 を先に決めておくことが大切です。 制度の詳細は、財務省や国税庁などの公的な情報や、税理士などの専門家に確認しながら、 わが家ルールの範囲内でどう活かすかを考えていけば十分です。

Q2. 家計や保険の話をしようとすると、どうしても重い空気になってしまいます。

A. お金の話は、どうしても不安や心配とセットになりがちです。 いきなり完璧な見直しを目指すのではなく、
「今日は、現状をメモするだけ」
「今日は、守りたいことを1つだけ話す」
のように、 小さなテーマに分けて、短い時間で話す のがおすすめです。 また、「責めるため」ではなく「安心のため」に話していることを、最初に共有しておくと雰囲気が和らぎやすくなります。

Q3. すでに加入している保険が多くて、見直したい気持ちはあるものの、どこから手をつければよいか分かりません。

A. そのような場合こそ、「家計全体を見てくれるFP」に相談する価値があります。 まずは、保険証券や控除証明書をまとめて持っていき、
「入りすぎているところ」「足りないところ」「変えなくてよいところ」
を、一緒に仕分けしてもらうところから始めるのがよいでしょう。 相談の際には、「2026年の特例をどう使うか」だけでなく、「特例が終わった後も無理なく続けられるか」という視点も必ず確認してみてください。

📩 ここまで5日間、読み進めていただきありがとうございました。
「わが家の場合、どう考えるのがよさそうか」「どこから手をつければよいか」と感じている方は、
こちらからお気軽にご相談ください
2026年分の生命保険料控除の時限措置に振り回されず、
保険だけでなく家計全体を一緒に見直しながら、
あなたのご家庭に合った「わが家ルール」を一緒につくっていきましょう。


※本記事の内容は、公開日時点の情報にもとづいており、将来の税制改正などにより変更される可能性があります。
※具体的な税額や手続きについては、勤務先の担当部署、税務署、税理士などの専門家にご確認ください。

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