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取適法施行で何が変わった?現場で起きていること総整理

取適法施行で何が変わった?現場で起きていること総整理

取適法施行で何が変わった?現場で起きていること総整理

Executive Summary(TL;DR 5行)

  • 取適法は、下請法の改正で2026/1/1から施行です。
  • 対象が広がり、これまで“グレー”だった取引が表に出ました。
  • とくに増えたのは「支払条件」「発注の出し方」「価格協議」の見直しです。
  • “慣習”で回していた運用ほど、違反リスクが出やすいです。
  • まずは「対象か」「記録が残るか」「60日ルール」を押さえれば前に進めます。

2026年1月1日から、これまで「下請法」と呼ばれていた枠組みが改まり、 通称「取適法」として施行されました。施行直後から、発注側は契約書や支払条件の棚卸しに追われ、 受注側(中小企業・フリーランス含む)は「このやり方、違反になりませんか?」という相談が増えがちです。 この記事では、対象範囲と“現場でまず起きたこと”を整理し、どこから点検すべきかの順番まで示します。 もしいま取引が不安なら、今日中に「発注内容の明示」「支払期日」「記録」の3点だけ先に整えるだけでも、 リスクは一気に下がります。

1. そもそも取適法とは

取適法は、下請法の改正により2026年1月1日から施行された法律(通称)です。 法律名や用語が変わり、対象の広がりや新しい禁止事項などが加わりました。

国としては「価格転嫁(コスト上昇分の上乗せ)を進め、取引を公正にする」方向性を強めています。

2. 施行後に現場で増えた「3つの見直し」

(1)支払条件の見直し(“60日”が中心)

取適法では、受領日から数えて60日以内のできる限り短い期間で支払期日を定めることが求められます。 検査の有無は関係ありません。

そのため、検収が長引く運用、入金待ちで支払いを遅らせる運用などが見直し対象になりやすいです (結果として“現場の摩擦”が増えやすい)。

(2)発注の出し方(「何を・いくらで・いつ払う」を残す)

発注時に、給付内容や代金額、支払期日・方法などを書面またはメール等で明示する義務があります。

口頭・チャットだけで進めていた案件ほど、後から揉めやすく、社内の統制(承認フロー)も作り直しになりがちです。

(3)価格協議(“協議しない”がNGになり得る)

新たに「協議に応じない一方的な代金決定」が禁止事項として整理されています。

ポイントは「値上げに応じる義務」ではなく、 協議の求めを無視したり、必要な説明なしに一方的に決めたりする運用が問題になり得る、という点です。

3. まず確認すべき「対象になる取引」

取適法は、対象取引と、資本金や従業員数の基準で適用範囲が決まります。 従来の資本金基準に加え、従業員基準が追加され対象が拡充されています。

また、取引類型として「特定運送委託」が追加されるなど、物流まわりも意識されやすくなっています。

さらに、情報成果物・役務提供委託の中身も整理されているため、 IT・制作・広告・業務委託(外注)全般で「うちは対象外と思っていた」が起こりやすいです。

4. 今日やるチェック(最小セット)

発注側(委託側)

  • 発注時に「内容・金額・支払期日・支払方法」がメール等で残るか
  • 支払期日は受領日から60日以内になっているか
  • 取引記録を2年間保存できるか

受注側(中小企業・フリーランス等)

  • 発注内容が曖昧なまま着手していないか(後で減額・やり直しになりやすい)
  • 支払期日が「検収完了から」になっていないか(受領日基準が基本)
  • 値下げ要求が来たとき、協議の記録(メール)が残る形になっているか

まとめ+要約

  • 取適法は2026/1/1施行で、対象が広がりました。
  • 施行後に目立つのは「支払」「発注の明示」「価格協議」の見直しです。
  • 支払は受領日から60日以内が基本で、検査の有無は関係しません。
  • “慣習”で回していた運用ほど、書面・記録の整備が必要です。
  • まずは「対象確認→明示→60日→保存」の順で点検すると迷いません。

FAQ(3問)

Q1. フリーランスでも対象になりますか?

取引の内容や相手の規模要件次第ですが、保護対象の拡充が意識されています。 まずは「委託内容」と「相手の規模基準」を確認してください。

Q2. 値上げを必ず認めないと違反ですか?

“必ず値上げ”ではありません。問題になり得るのは、協議の求めを無視する、説明なしで一方的に決める、 といった対応です。

Q3. 検収が終わってから60日ならOKですか?

原則は「受領日から60日以内」です。検査の有無は問わない整理になっています。

📩 取引条件の見直しや、取適法対応の進め方を個別に整理したい方は、 こちらからご相談ください

参考資料(一次情報の確認用)

※本記事は、取適法に関する公的資料を確認しながら運用点検の観点を整理したものです。 実務適用は業種・契約形態で異なるため、最新の公的資料で必ず確認してください。

  • 公正取引委員会:取適法(中小受託取引適正化法)関連情報
  • 公正取引委員会:取適法リーフレット(義務・禁止行為の整理)
  • 政府広報オンライン:価格転嫁・取引適正化に関する解説(関連)
  • 中小企業庁:取引適正化・価格交渉/価格転嫁ガイドライン(関連)

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