脱炭素経営・SDGsへの対応として、法人による太陽光発電設備の導入が急増しています。
しかし、ビジネス資産であるからこそ多くのリスクと向き合う必要があります。
この記事では、災害・盗難・制度・契約・保守など、法人が押さえるべきリスクとその対策を解説します。
目次
1. 自然災害とそのリスク
企業施設の屋根や遊休地に設置されたパネルは、台風・落雷・豪雪・地震などの自然災害によるリスクが顕著です。
事業継続計画（BCP）に沿った保険加入・定期点検・耐候性の確認が必須です。
2. 盗難・不正アクセス
法人設備は屋外設置が多く、パネル・配線・変換装置の盗難が相次いでいます。
防犯カメラ・IoTセンサー・夜間照明・物理的なフェンスの設置での防止策が有効です。
3. 制度変更による収益影響
政府の固定価格買取制度（FIT）は改正が続いており、2025年現在も見直しの議論が進行中です。
今後は買取価格の変動や撤廃リスクも想定すべきで、複数年の収支シミュレーションが重要です。
4. 法令遵守・契約トラブル
設置には地域条例や環境影響評価の遵守が求められ、行政手続きや地主との契約不備がトラブルを生むことがあります。
設計前段階から法務・技術者との連携が必要です。
5. メンテナンス・運用課題
パネルの劣化や発電量低下は、法人資産の減価に直結します。
長期運用を見据えたO&M（保守・運用）体制の整備と外部委託先の精査が求められます。
法人が取るべき対策
- BCP対策を含む自然災害補償保険の導入
- 盗難抑止設備の強化（カメラ・ゲートなど）
- 最新の制度動向のウォッチと専門家相談
- 設置前の法的リスク確認（都市計画・景観条例など）
- 年次点検＋O&M契約の導入
まとめ
企業としての再生可能エネルギー活用は、社会的価値と経済性の両立を狙えます。
しかし、初期コストだけでなく中長期的なリスクにも対応できる体制づくりが極めて重要です。
今こそ、自社のエネルギー戦略を見直す絶好のタイミングです。
