
中小企業・個人事業主のBCP事例|名古屋市で起きがちな失敗7つと改善ステップ
「BCPは作ったが動かない」を卒業するため、規模別の実例と“直し方”を体系化。
ひとり〜5名規模でも効果が出る費用対効果の高い手順を明記します。
1) 事例A:設備転倒と出火(製造)
- 高棚・金型の未固定、可燃物の過密配置。
- 対策:ラック固定+感震ブレーカー+初期消火訓練。退避通路の矢印表示。
2) 事例B:通信断・安否不明(EC)
- 連絡が単線、在庫・配送が一斉停止。
- 対策:会社→家族の優先順位、無線/衛星の代替、代替SKUの事前合意。
3) 事例C:個人サロン/フリーランス
- 予約連絡の即時一斉送信ができず、来店・納品トラブル。
- 対策:予約一括連絡テンプレ(延期/返金/代替メニュー)、コワーキング代替、モバイル決済のオフライン運用。
4) 失敗の型〈7つ〉と現場の直し方
- 役割不明:指揮→班長→班員。小規模は「自分→家族→顧客」の優先表を1枚に。
- 固定・遮断が後回し:棚固定→感震遮断→可燃物整理の順で。
- 備蓄が箱だけ:人数×72h+個包装・女性用品・アレルギー・トイレ。
- 通信が単線:チャット+SMS+電話+無線/衛星の多系統。
- 紙ゼロ:発注・出荷・請求の紙テンプレ、印刷可能PDFを常備。
- 単一サプライヤ:最大3社の分散。品質許容差を文書化。
- 訓練が避難だけ:10→30→120→24→72の段階訓練。
5) 改善の順番:固定→遮断→備蓄→通信→代替
- 固定:棚・サーバ・什器。転倒防止と通路確保。
- 遮断:感震ブレーカー・ガス遮断・発火物低減。
- 備蓄:個包装食・水・簡易トイレ・PPE・女性用品。
- 通信:安否SaaS+紙名簿、無線/衛星メッセージ。
- 代替:拠点(自宅/コワーキング)・SKU・輸送モード(陸/海)。
6) 調達・協定・保険
- サプライヤ分散:平時に3社と上限価格を合意。
- 地域連携:商工会・近隣と相互応援覚書。津波一時避難ビル共用。
- 保険:地震保険+動産・利益補償。免責・待機期間を確認。
7) 訓練設計とKPI
- 机上:If-Then分岐、夜間シナリオ。
- 集合:初期消火・避難・点呼・搬送。
- 想定外:通信断+出火+要配慮者の同時多発。
- KPI:参加率>90%、初動10分完了>95%、総合訓練<60分、是正件数の減少。
まとめ
多くの失敗は順番の問題。
まず固定・遮断で転倒・出火を抑え、個包装備蓄と通信の多系統で自走性を確保、最後に代替拠点・代替SKUで復旧速度を上げます。
FAQ
- 個人事業主は何から?
- 棚固定・感震ブレーカー・モバイル電源・簡易トイレの4点を先に。
- 在庫はどの程度?
- 人×72h+主要製品の安全在庫、代替SKUと品質許容差の事前合意。
- 発電機は必要?
- まずは蓄電+ソーラーで小電力。用途が明確なら発電機を追加。