
フィッシング対策はセンス不要:迷わない社内ルールの作り方
Executive Summary(5行)
- 見抜くより「手順を固定」が強いです
- リンク・添付・ログインでルールを分けます
- “確認の言い方”テンプレが事故を減らします
- 二段階認証は最優先で入れます
- 1枚ルールで、教育コストを下げます
導入
フィッシングは量も手口も増え、個人の注意力に頼るのが難しくなっています。 国内でも報告件数が継続的に多いことが示されています。
参考:フィッシング対策協議会 月次報告(URLは記事公開時に差し替えてください)
そこで本稿では、見分け方のコツではなく、迷わない運用ルールに落とします。 進め方は、①危ない場面を3つに分ける→②各場面で“やることを固定”→③テンプレで習慣化、です。 仕組みにできれば、経験が少ない人でも安全に行動できます。
1. 危ない場面を3つに分ける
A:リンク(メール/SMS/チャット)
→ 原則「押さない」。公式アプリかブックマークから入る。
B:添付(見積・請求・契約)
→ 原則「別ルート確認」。電話や別チャットで送信者に確認。
C:ログイン要求(再認証、パスワード更新)
→ 原則「公式から入り直す」。画面の指示に従って入力しない。
参考:IPA「情報セキュリティ10大脅威」等の一般向け注意喚起(URL差し替え)
ポイント:見分け方を覚えるより、「危ない場面でやること」を固定すると迷いが減ります。
2. ルールは短く、例外は少なく
おすすめは、A4 1枚に収まる形です。短いほど守られます。
- リンク:原則押さない(急かされても同じ)
- 添付:開く前に確認(社外→特に慎重)
- ログイン:公式から入り直す
- 迷ったら:“止めるのが正解”(叱らない)
ルールが長いと、結局「各自の判断」に戻ります。 逆に、短いルールは“判断を減らす”ので、忙しいほど効きます。
3. 相談しやすくする「確認テンプレ」
現場が一番困るのは「疑って失礼かも」です。だから言い方を用意します。
送信者確認(社内向け)
「念のため確認です。この添付/リンク、〇〇さんが送りましたか?」
取引先向け
「セキュリティの都合で、添付は別ルートで確認しています。再送か、共有方法の変更は可能ですか?」
“疑う”ではなく“手順”として言うと角が立ちません。 この一文があるだけで、相談が増え、事故が減ります。
4. 最優先で入れる設定
- 主要アカウントに二段階認証(メール、クラウド、会計)
- パスワードの使い回しをやめる(管理ツールでも可)
- 端末・OS・ソフトの更新を止めない
- 共有アカウントを減らす(監査や復旧が楽になります)
最初にやるなら:メールの二段階認証です。メールが乗っ取られると、他サービスのリセットも取られやすくなります。
5. Day3へ
次回は、万一入られたときに備えて、ランサムウェアで止まらない準備(バックアップと復旧)を扱います。
まとめ+要約
- 見抜くより「押さない・開かない・公式から」が強いです
- リンク/添付/ログインの3場面に分けると迷いが減ります
- 確認テンプレが、相談の心理ハードルを下げます
- 二段階認証と更新は、費用対効果が高いです
- 次回は、止まらないための復旧設計に進みます
Next Best Action:メールと主要クラウドに二段階認証を入れ、リンクは押さず公式から入る運用に切り替えてください。
FAQ(3問)
Q1. 社員がルールを守らないのが心配です。
A. まず「叱らない」を明言し、迷ったら止める文化にします。仕組みが先です。
Q2. 取引先からの添付が多くて困ります。
A. 取引先向けの確認テンプレを用意し、共有方法(安全な共有リンク等)に寄せていきます。
Q3. 二段階認証で業務が遅くなりませんか?
A. 数十秒の手間で、乗っ取りの確率を下げられます。最優先はメールです。
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