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ファミリー世帯と独身サラリーマン、それぞれの「得するケース・損するケース」【Day3】

ファミリー世帯と独身サラリーマン、それぞれの「得するケース・損するケース」【Day3】

2026年分(令和8年分)の生命保険料控除をテーマにした、全5回シリーズのDay3の記事です。

ファミリー世帯と独身サラリーマン、それぞれの「得するケース・損するケース」

この記事の要点(5行でサッと理解)

  • 2026年分の生命保険料控除の拡充は、「23歳未満の扶養親族がいる人」だけが対象です。
  • 得をしやすいのは、もともと保険料が多く、所得税率もそれなりに高い人です。
  • すでに控除の上限(合計12万円)いっぱいまで使っている人は、保険を増やしても税金はほとんど変わりません。
  • 「控除のために保険を増やした結果、家計が苦しくなる」という損するパターンもあります。
  • 今日は、ファミリー世帯と独身サラリーマンの事例を通じて、「わが家はどんなタイプか」をイメージしてもらいます。

Day1・Day2では、2026年分の生命保険料控除が「23歳未満の扶養親族がいる人」に限って、一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に広がる時限措置であること、そして「保険と家計のバランス」がとても大切だということをお伝えしました。

とはいえ、頭の中だけで考えていると、「うちは得する側なのか、あまり関係ないのか」「逆に損してしまうパターンなのか」がまだイメージしづらいかもしれません。

そこでDay3では、ファミリー世帯と独身サラリーマン、それぞれの立場から、 「得しやすいケース」「注意したいケース」 を、できるだけやさしい数字でイメージできるように整理します。 実際の税金計算はもっと複雑ですが、「ざっくりした感覚」をつかむことで、2026年に向けた行動のヒントにしていただければと思います。

1. ケース比較の前提:どれくらい変わりうる話なのか

1-1. まずは「上限が4万円→6万円」になるイメージ

2026年分の所得税に限り、23歳未満の扶養親族がいる人については、 一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に引き上げ られる予定です。合計の上限(一般+介護医療+個人年金)は12万円のまま変わりません。

つまり、「一般」の枠だけが一時的に2万円ぶん広がるイメージです。 その結果として、所得税の計算で使える控除が最大2万円増える可能性があります。

1-2. 「控除が2万円増える」と税金はいくらくらい軽くなる?

あくまでとてもざっくりしたイメージですが、控除が2万円増えると、 所得税率(限界税率)が 5%の人で約1,000円、10%の人で約2,000円、20%の人で約4,000円 程度、所得税が軽くなるイメージです。

もちろん、実際は他の控除や住民税も関係してきますし、「2万円まるごと増える」人ばかりではありません。 ここでは、あくまで 「思ったよりも、控除だけで大きくお金が戻ってくるわけではない」 という感覚を持っていただければ十分です。

※具体的な税金の金額は、収入・家族構成・他の控除などによって大きく変わります。ここで扱う数字はイメージのための例であり、実際の税額を保証するものではありません。

2. ファミリー世帯の「得するケース・損するケース」

まずは、子どもがいるファミリー世帯のケースから見てみましょう。 共働きか片働きか、どちらが扶養しているか、今どれくらい保険に入っているかによって、 得しやすさや注意点は変わってきます。

ケース1:共働き・子1人、夫が扶養していて、夫がしっかり保険に入っている場合

  • 夫:年収600万円、妻:年収350万円
  • 子ども:小学生1人(2026年末時点で23歳未満)
  • 扶養親族:夫のほうで子どもを扶養に入れている
  • 夫の一般生命保険料(いわゆる死亡保障の保険など):すでに年間8万円程度支払い

この場合、もともと夫の一般生命保険料控除は上限4万円までフル活用している可能性が高く、 2026年分については上限6万円まで控除できるようになることで、 最大で+2万円ぶんの控除アップの余地 が生まれます。

もし夫の所得税率が20%だとすると、 控除アップ2万円 × 20% = おおよそ4,000円程度、 所得税が軽くなるイメージです。 すでに払っている保険料の範囲で6万円まで届くなら、 追加の契約をしなくても、自然と恩恵を受けられるタイプ のケースです。

→ このケースは「無理に保険を増やさなくても、もともとの契約でそれなりに恩恵を受けやすい」パターンと言えます。

ケース2:片働き・子2人、保険料はすでに重めで、さらに増やそうとしている場合

  • 夫:年収450万円、妻:専業主婦
  • 子ども:中学生・高校生の2人
  • 夫が子ども2人を扶養に入れている
  • すでに生命保険・医療保険などで、月々3万円以上の保険料を支払っている

この家庭で「2026年は控除枠が増えるので、今のうちにさらに保険を上乗せしませんか?」と言われ、 月々1万円の終身保険を追加したとしましょう。

  • 年間の保険料アップ:およそ12万円
  • そのうち一般生命保険料控除の対象となる部分が増えるが、控除アップは最大でも2万円
  • 所得税率が10%なら、税金の軽減はおおよそ2,000円程度

年間12万円の保険料を増やして、所得税が軽くなるのは2,000円前後。 残りの11万8,000円は、家計から確実に出ていくお金です。

→ このケースでは、「控除を意識しすぎて保険を増やした結果、家計の固定費が重くなり、トータルで見ると損をしやすい」パターンになりがちです。

すでに保険料が重いと感じている場合は、むしろ 「控除枠を使い切るために保険を増やす」のではなく、「本当に必要な保障かどうかを見直す」 ことが大切です。

ケース3:保険と年金で控除の合計上限(12万円)に届いている場合

  • 生命保険・医療保険・個人年金などで、すでに控除の合計額が12万円近くある
  • 2026年の一般枠拡大があっても、トータルの上限12万円は変わらない

このようなケースでは、一般生命保険の控除枠だけ2万円広がっても、 「合計の12万円という天井」にぶつかってしまい、税金はほとんど変わらない ことがあります。

この状態でさらに保険料を増やしても、 税金が軽くなるわけではなく、単に家計の負担が増えるだけになってしまいます。

→ 「すでに控除の合計が上限近くにある人」は、控除拡大の恩恵はあまり大きくなく、むしろ家計全体のバランスを見直すほうが重要です。

3. 独身サラリーマンの「得するケース・損するケース」

つづいて、独身サラリーマンのケースです。 「独身だから関係ない」と思いがちですが、23歳未満のきょうだいなどを扶養している場合には、対象になることがあります。

ケース4:独身・実家暮らし、弟(大学生)を税金上の扶養に入れている場合

  • 本人:年収500万円、独身
  • 弟:大学生(22歳)、アルバイト収入はあるが、扶養条件内
  • 税金上の扶養親族として、弟を自分の扶養に入れている
  • 自分の生命保険料は、まだそこまで多くない(年間3万円程度)

このケースでは、「23歳未満の扶養親族がいる人」に該当するため、 一般生命保険料控除の上限が6万円まで広がる対象になり得ます。

ただし、現在の一般生命保険料が年間3万円程度であれば、 そもそも従来の上限4万円にも届いていません。 このままでも、2026年は従来どおりの計算で控除が受けられますが、 上限6万円までの広がりをフルに使うには、保険料をかなり増やす必要があります。

→ 「対象にはなるが、無理して保険料を増やさない限り、控除拡大による影響はそこまで大きくない」ケースです。

このような場合こそ、「控除のために保険を増やす」のではなく、 自分の将来のライフプラン(結婚・住宅・老後)を見据えた保障と貯蓄のバランス を考えるほうが大事と言えるでしょう。

ケース5:独身・一人暮らし、扶養親族なしで、営業から特例をきっかけに保険を勧められている場合

  • 本人:年収400万円、独身・扶養親族なし
  • 2026年の特例について、「今から保険に入っておくとお得ですよ」と言われている

このケースは、そもそも「23歳未満の扶養親族がいない」ため、 2026年分の一般生命保険料控除の上限拡大の対象外です。

にもかかわらず、「2026年は控除枠が増える年なので」とだけ聞いて保険に入ってしまうと、 自分には関係のない特例を前提に、長期の契約を結んでしまう おそれがあります。

→ このケースは、「制度の対象外なのに、“お得”という言葉だけで保険を契約してしまい、損をしやすい」パターンです。

まずは、自分が特例の対象に入るのかどうかを確認し、 そのうえで必要な保障があるかどうかを考えるのが順番です。

4. 「得する」より大事な、見落としがちなリスク

4-1. 「節税のために入った保険」が、将来の足かせになるリスク

ここまでのケースから見えてくるように、 2026年の控除拡大は、たしかに一部の人にとってプラスになりえますが、 それだけを目的に保険を増やしてしまうと、 将来の家計の足かせ になってしまうことがあります。

とくに、貯蓄性の高い終身保険や外貨建て保険などは、 長期間の継続が前提になる商品が多く、 途中で解約すると元本割れになることも少なくありません。 「1年だけの特例」をきっかけに、10年・20年と重い固定費を抱えるのは、本末転倒です。

4-2. 「保険だけ」見てしまい、家計全体が見えなくなるリスク

もう1つのリスクは、 「保険だけ」「控除だけ」に意識が集中してしまい、家計全体のバランスが見えなくなる ことです。

本当は、 教育費・住宅・老後・日々の生活費・貯蓄・投資 など、家計全体の中で保険をどう位置づけるかが大事です。 それなのに、 「控除枠が増えるから」「節税になるから」 という理由だけで保険を決めてしまうと、 「家計のどこかが足りなくなる」リスクが高まります。

5. 2026年をきっかけに決めたい「わが家ルール」

ここまでの話をふまえると、2026年の特例をきっかけに、次のような 「わが家ルール」 を決めておくのがおすすめです。

  • ルール1:保険料は「手取り月収の◯%まで」と上限を決める
  • ルール2:「控除枠があるから入る」のではなく、「必要な保障+家計に無理のない範囲」で保険を決める
  • ルール3:2026年は、保険だけでなく「家計全体の棚卸し」をする年とする
  • ルール4:自分たちだけで不安な場合は、「家計全体を見てくれるFP」に相談する

こうしたルールをあらかじめ決めておくと、 「営業トークに流されにくくなる」というメリットもあります。 保険の提案を受けるときも、 「このルールの中で考えると、どういうプランになりますか?」 と、こちらから主導権を持って相談しやすくなります。

6. まとめとNext Best Action

6-1. 今日のまとめ(5ポイント)

  • 2026年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる人を対象に、一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に一時的に拡大されます。
  • 得をしやすいのは、もともと一般生命保険への加入額が多く、所得税率もある程度高い人で、追加契約をしなくても自然に控除が増えるケースです。
  • 一方で、すでに保険料が重い家庭や、控除の合計が上限12万円近くにある人は、保険を増やしても税金はほとんど変わらず、家計だけが苦しくなるリスクがあります。
  • 独身でも、23歳未満のきょうだいなどを扶養している場合は対象になりえますが、対象かどうかを確認しないまま保険を契約するのは危険です。
  • 最終的には、「控除」ではなく「家計全体のバランス」と「わが家のルール」を軸に判断することが、損をしないいちばんのポイントです。

6-2. Next Best Action(次の一手)

ご自身と配偶者が「どのケースに近いか」をこの記事の事例と照らし合わせ、 「うちは得しやすいタイプか・注意が必要なタイプか」を紙に書き出してみましょう。

明日のDay4では、 2025〜2026年の2年間でやっておきたい「家計+保険」の具体的なチェックリストと、実行の順番 を、90日くらいを目安にしたロードマップで整理していきます。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 今日のケースに近い気がしますが、本当にうちも同じように考えてよいのでしょうか?

A. 本文のケースは、イメージをつかんでいただくための「例」にすぎません。 実際の税金や家計への影響は、収入、家族構成、他の控除、加入中の保険内容などによって大きく変わります。 ですので、「まったく同じ」とは考えず、 「方向性の目安」として参考にしつつ、具体的な判断は専門家に確認する ことをおすすめします。

Q2. すでに保険料が重いのですが、2026年の特例のために一度だけ保険を増やすのはアリですか?

A. 一度だけのつもりでも、保険は長期契約になることが多く、 「気づいたらずっと払い続けていた」ということになりがちです。 すでに負担が重いと感じているなら、 まずは 今の契約が本当に必要かどうかを見直すこと が先です。 そのうえで、どうしても必要な保障があり、家計に無理のない範囲であれば、 特例を参考情報のひとつとして検討する、という順番がよいでしょう。

Q3. 自分で整理するのが難しいので、誰に相談すればよいですか?

A. 保険商品だけを見るのではなく、 家計全体(収入・支出・貯蓄・住宅ローン・教育費・老後資金)を一緒に整理してくれるファイナンシャルプランナー(FP) に相談するのがおすすめです。 「保険の見直し」だけでなく、「家計の見直し」もセットで相談できる相手を選ぶことで、 2026年の特例を含めたトータルの判断がしやすくなります。

📩 「うちはどのケースに近いのか?」「今の保険や家計のバランスは大丈夫か?」と感じた方は、
こちらからお気軽にご相談ください
2026年分の生命保険料控除の時限措置もふまえながら、
ファミリー世帯・独身サラリーマンそれぞれの状況に合わせて、
一緒に無理のない「わが家ルール」を整理していきましょう。


※本記事の内容は、公開日時点の情報にもとづいており、将来の税制改正などにより変更される可能性があります。
※具体的な税額や手続きについては、勤務先の担当部署、税務署、税理士などの専門家にご確認ください。

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