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【保険支払データで見る】線状降水帯・内水氾濫:戸建て所有者の備え

線状降水帯と内水氾濫による被害|保険支払データで見る被災リスクと備え

近年、線状降水帯や内水氾濫による水害が増加しており、戸建て住宅の被害リスクも高まっています
本記事では、保険会社の支払い実績をもとにリスクを可視化し、戸建て所有者が取るべき保険と備えを詳しく解説します。

目次

1. 線状降水帯とは?住宅に与える影響

線状降水帯は、長時間・局地的な豪雨をもたらし、床上・床下浸水リスクが急増します。
特に低地や排水力が限られた地域の戸建て住宅には深刻な影響があります。

2. 内水氾濫の仕組みと実態

内水氾濫は、河川ではなく下水や側溝の処理力限界によって住宅街に水が逆流する現象です。
特に都市部や雨排水設備が古い地域で問題化しており、浄化槽やポンプでは対応しきれない水位上昇が発生しています。

3. 被害と保険支払データ

国土交通省の被害統計や損保協会の支払データから、近年のリスクを整理します。

年度線状降水帯発生内水氾濫件数住宅被害件数
201920回80件約7,000件
202024回95件約8,500件
202119回90件約9,200件
202228回110件約10,500件
202330回125件約12,000件
202432回140件約14,800件

損保協会によると、2024年度の風水害保険支払い総額は30社合計で約2兆円超に達し、2023年度からも増加しています。
また金融庁の報告では、家計向けの火災保険における自然災害(風・水災)支払いは、2018年度以降、従来の2,000億円から急増し、2022年度にはさらに拡大しています

4. 必要な保険と補償内容

4‑1. 火災保険+水災特約

外水・内水氾濫による床上・床下浸水を補償するには、火災保険に「水災特約」を付け、免責額や補償範囲を慎重に確認することが重要です。

4‑2. 気候変動対応の保険設計

温暖化の進行に伴い、保険会社は発生頻度と支払い単価がともに増加する水災リスクに対応し、保険料の見直しや免責額引き上げを実施中です。

5. 今すぐできる戸建ての備え

  • ハザードマップの確認:自治体のリスクマップを必ずチェック。
  • 排水設備の点検:側溝・ポンプ等の清掃・メンテナンス。
  • 避難計画と備蓄:家族での訓練と非常食・水の備え。
  • 水災特約付き保険加入:補償内容・免責金額を比較検討。
  • 浸水対策グッズ設置:止水板・防水シート・電源確保など。

6. まとめ:安心への第一歩

線状降水帯・内水氾濫は今後も発生頻度と支払い規模が増加傾向にあります。
ハザードマップ確認と水災特約加入は、戸建て所有者の“マスト”対応です。
さらに、日頃の排水管理と非常時の備えを徹底し、「備えあれば憂いなし」を行動につなげましょう。
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